ネトフリで字幕で見ました。まずはAmazon先生のあらすじ&予告編からどうぞ
【予告編】
【あらすじ】
ハワイ島。ポリネシアの伝説に残る“川の悪魔”を探して、密林に踏み込んだ爬虫類学者のラブグローブ。B級ホラー映画の撮影に来た、ハリウッドの撮影チーム。身代金目的で主演女優を誘拐しようと狙う、凶悪なギャング団。彼らがジャングルで遭遇したのは、体長30メートルを超える巨大モンスター“ピラナコンダ”だった。(あらすじ:Amazon商品ページより引用)
ストーリー………C
モンスターの質…C
キャラクター……C
設定………………D
モンスターの質…C
キャラクター……C
設定………………D
総合評価…………D+
おすすめ度………D
おすすめ度………D
【良い点】
・話が単調にならない工夫はある
・やりたいことは分かる
・話が単調にならない工夫はある
・やりたいことは分かる
【悪い点】
・盛り上がり不在
・ストーリーが非常に中途半端で面白みに欠ける
・設定丸投げ
・盛り上がり不在
・ストーリーが非常に中途半端で面白みに欠ける
・設定丸投げ
やりたいことだけはなんとなく伝わってくる映画でした。ピラナコンダとかいう怪物をメインに据えたモンスター映画でしたが、残念ながら盛り上がりも面白みも足りないという……なぜピラナコンダをもう少し上手く使えなかったのか。
【以下、ネタバレ注意!】
今作ですが、ハワイでB級映画の撮影してたらピラニアとヘビ合わせた化け物がひょっこり顔を出して1人づつ襲われていく、というお話です。なんでハワイなんて観光地に怪物が堂々と出没してるんですかね……(困惑)
では、早速今作の詳細な内容を見て行きましょう。まずは良い点から。
今作の良い点は、話が単調にならない様な工夫自体はあるということです。
今作は最初、ハワイの奥地に生物の研究チームがやって来て、謎の卵を発見する、というシーンから始まります。しかしそれこそがピラナコンダの卵であり、現れた怪物によって研究チームはほぼ壊滅。時を同じくして、同じくハワイにやってきていたB級映画の撮影チーム。こちらも1人、また1人と、知らぬうちにピラナコンダさんの餌食になっていく人間たち。そして彼らが怪物の存在を認知した頃には、事態はもう収拾のつかないところまで来ているのでした。
まあ、大体今作の流れはこんな感じなのですが、ぶっちゃけ前半はピラナコンダさんが群れから外れた人間を見つけてはちょろっと顔を出して、あっちでパックンこっちでパックンしているだけなんで結構飽きます。しかし、さすがにピラナコンダさんだけでは間が持たないという考えが製作陣にもあったのか、中盤以降は謎の犯罪者集団たち VS 映画制作集団+学者先生1人という人間同士の争いにも焦点が置かれているなど、飽きにくくさせる様な工夫事態は施されています。これが上手く行っていたかどうかは後ほどお話するとして、この話の構成事態は悪くはなかったかな、という印象でした。
では、以下には悪い点を。今作の悪い点は、ストーリーが非常に中途半端で盛り上がりに欠けるということと、設定の丸投げです。
まずはストーリーについて。先に述べた様に、今作のストーリー自体には飽きにくくなるような工夫がされていると感じます。しかし、その実最後まで飽きずに見られたかというと答えは残念ながら……。その原因としては、モンスターの扱いから人間同士の抗争に至るまで、もう何もかもがとにかく中途半端であるということが挙げられます。
例えばピラナコンダ。こいつは今作を代表するモンスターのはずなのですが、前半はちょこちょこ顔を出すものの誰からも認知されないので空気もいいところで、後半は逆にこいつが強すぎて、せっかく用意した人間同士の抗争的な部分が完全に陰に隠れてしまっており、とにかくどっちつかずで中途半端な印象が拭えません。ピラナコンダとの対決や闘争を物語の中心に置きたいのか、それとも人間同士の抗争を中心において話を進めたいのか、今作はどうもその辺りが全く見えてこないのです。
もし前者なのだとしたら、ピラコンが空気すぎてとにかく印象が薄い&人間同士の無駄な争いが邪魔ですし、後者に要点を置きたいのなら後半のピラコンの出しゃばり方は完全に邪魔。個人的には、「モンスターは主要人物にその存在を認知されるまで空気も同義」だと思っているので、そのような視点からいうと今作のピラコンは出番こそそこそこあるものの、真に物語に絡んでくるタイミングが遅すぎる。また、ピラコンのCGの出来事態はさほど悪くないものの、捕食シーンが終始ワンパターンで血糊の演出がとにかく稚拙であることや、結局ピラナコンダの発生原因や生態についてはほとんど触れられておらずモンスターに関する設定はまさに丸投げで、なんか「突然出てきた都合の良いモンスター」という印象が非常に強いということも、今作が盛り上がってこない大きなポイント。
しかし、何よりも1番「これはあかん」と思ったのは、ピラコンの2匹目の取り扱いについてでした。本来今作のように、「メインとなる1匹の強大な怪物が暴れまわるパターン」のモンスター映画において、2匹目を出す場合の取り扱いというのは慎重であるべきだと思うのです。なぜなら、それまでモンスターは1匹しかいないもんだと思っていたところに2匹目を投入するわけですから、これは本来大きな盛り上がりを見せる部分となるはずだから。だから他の映画においては、最初の一匹を倒した後、ないし倒しかけたところに2匹目を登場させてみたり、人間側がモンスターに関する有益な情報をつかんで優位に立ちそうになったところで、パワーバランスを崩すために2匹目を出してみたり、エンドロール後に2匹目の存在を匂わせて終わることで観客の不安を煽る素材として使ったりなど、それまで明言していなかった2匹目を出す時には、普通は各映画工夫を持って取り扱います。
しかし今作で最初に2匹目が登場するのは、ピラコンが群れからはぐれた人間を捕食しようとしている最中にもう1匹が顔見せするという、マジでなんでもない瞬間。もうね、アホかと。どんだけ演出下手なんだよと。こんななんでもないシーンで2匹目見せられて「うおー1匹だけでも強いのに2匹もいるのかー!」ってテンション上がるとでも思ってるんでしょうか? しかも、序盤からバンバン卵出すから繁殖してるの丸わかりだわ、そのくせ登場人物たちは複数匹いるって分かってんのに1匹倒したら大満足で油断しまくりなせいで結局全滅するわで、もう本当にこのあたりの調整については救いようがない。
総評ですが、ストーリー上の工夫は垣間見えるものの、これが上手く機能しているかというとそんなことはなく、とにかく終始盛り上がりに欠ける作品でした。もう少しストーリー組み立て直すだけで大分見られる出来にはなると思うのですが、そんなことは後の祭りですね。あんまりお勧めはしませんが、まあ造形はそこそこ見られるのでヘビとピラニア好きならいかがでしょうか、という感じです。
それでは、今回はこの辺で。また次回お会いしましょう。