「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

エリア・オブ・ザ・デッド のレビューです(総合評価C+)

(画像:Amazon商品ページより引用)
 ネトフリで字幕で見ました。吹き替えはついてなかったと思います。
 まずはAmazon先生のあらすじ&予告編からどうぞ。
【予告編】
 
【あらすじ】
“感染、増殖、混沌(カオス)…。そして、生き残るためのサバイバルが始まる―

夏休みの大学キャンパス内でゾンビウィルスが発生。感染は皮膚接触を通じてまたたく間に広まっていく。
一度感染した者はウィルスに支配され、人肉を求めて徘徊するゾンビと化す…。
不幸なことに「ゾンビvs人間」というゲームが流行しており、楽観的な学生たちはゾンビ感染という事実に気付くことが出来ない。
キャンパスに戻ってきた学生たちは次々とゾンビ化した人間に襲われ、感染はまたたく間に街の中まで広がっていく。

執拗に追ってくるゾンビから逃げ惑う人々。残虐無慈悲に人々を喰らい、次々と数を増していくゾンビたち。
仲間が、愛する者が、自分の周りの人々が次々と感染し、襲い掛かってくるー。
地獄絵図と化した状況のなか、真実に気付いた生き残りの学生グループと警備員フランクは、それぞれの想いを交錯させながらも、生き残る為にゾンビと戦うことを決意する。

果たして、彼らはこのカオスから脱出することはできるのか?!(あらすじ:Amazon商品ページより引用)

ストーリー……C
ゾンビの質……C
キャラクター…C
設定……………C 
総合評価………C+
オススメ度……C
 
【良い点】
・ド定番ながらも安定感のあるストーリー
【悪い点】
・とにかく普通のゾンビ映画すぎる
・最後の方の急に飽きた感
 一言でこの映画を言い表すとしたら、とにかく”普通”のゾンビ映画です。もう内容的にとにかく普通すぎて、逆にここまで普通な作品は珍しいんじゃないかと錯覚するほど普通。ストーリーは非常にオーソドックス、ゾンビもよくいる感じのやつ(ただし走ります)で、キャラも別に特質するような人はおらず、かといってバッサリと切り捨てるほど悪い部分も見当たらない、という具合。全体的なクオリティとしてはまあまあ、かつ「ゾンビ映画ってこんな感じなんか」という入門用にはなかなか良いのではないかと思いました。
【以下、ネタバレ注意!】
 今作ですが、まさにド定番という感じのゾンビ映画です。内容的には、街でゾンビパニックが発生し、大学?寮に残った学生たち+αがそこからの脱出を目指すというもの。2011年とちょっと前の映画ながら、昨今のちょっと凝ったゾンビ映画に疲れてしまった方には逆にオススメしたい一本です。
 では、まずは詳細な内容から見て行きましょう。まずは良い点から。
 今作の良い点は、各種要素に対して、定番ながらも安定感がしっかりあるということです。これが今作一番の特徴にして特長でした。
 今作は内容的には実に普通のゾンビ映画。謎のウイルスによる感染拡大の予兆から始まり、病院を起点にパンデミック勃発、大学寮に逃げ込むもすでに大量のゾンビが闊歩しており、そこからの脱出……という、まるでゾンビ映画のお手本のようなテンプレ的流れを披露してくれます。またこの後も、助けたと思った人が噛まれててゾンビになったり、身内に噛まれた人がいるのに申告せずゾンビになって襲われたり、逃げた先にもゾンビが溢れてきて結局当てのないさらなる逃走の旅を強いられるENDなど、最初から最後までゾンビ映画のお約束的内容なのは変わらず。
 このように、ストーリー的にはこれといった目新しさはないものの、その代わりに安定感はしっかりとある作りになっていました。最序盤を除き、ゾンビ発生以降のテンポも悪くないためこの流れを阻害しておらず、またゾンビのクオリティも標準レベルは超えていたため、全体的に標準、ないし標準少し上くらいのクオリティは保てていたように感じます。推論レベルながら、ゾンビ発生の原因にも踏み込めているところもグッド。ストーリー、ゾンビ、キャラ、設定、そのすべての要素が実にバランスが取れており、無難に普通を楽しめる作りになっていました。まさに、「特徴がないのが特長」という作りだったと思います。
 では、以下にはそれでも気になった部分を。今作の悪い点は、とにかく普通すぎるということと、最後の方投げ出した感が残るということです。
 先ほどから普通普通としつこく言っていますが、良い部分が普通なことなら悪い部分も普通なことである、というのは御察しの通りです。ストーリー展開、ゾンビ、キャラ、設定、そのどれもが非常にバランスが取れてはいるものの、逆に言うとそのどれを取っても頭一つ飛び抜けているほど優れているものはありません。ストーリーは安定感重視で目新しさがなく、テンポは悪くないためつまらない部分はあまりありませんが、その分大きく盛り上がる箇所もない。キャラについてはまあまあこんなもんかという感じですし、ゾンビについては個々のクオリティはなかなか高いですが、襲ってくるタイミングなどについて都合の良い動きが多いのでイマイチ迫力に欠けるなど。
 またこれに加え、個人的にラストシーンは少し考えもの。ゾンビとの戦闘、そして立て篭りに辟易し、なんとかこの状況を打開したい一行が選んだのは、「協会は聖なるパワーでゾンビに襲われてないらしいのでなんか安全そうだから(意訳)」というようなもの。まあ状況が状況なので希望的観測にすがりたくなるのも分かりますし、ゾンビ映画でラストが教会という流れ自体は悪くないと思うのですが、教会行きの場面だけ理由付けが弱い気がしました。
 というわけで総評ですが、各種要素が非常にバランスの取れている実にオーソドックスなゾンビ映画、という印象です。飛び抜けて良い部分もないですが、その分飛び抜けた悪い部分も見当たらないので、ゾンビ映画の入門用や、初心者向けに良いかもしれません。また、無難で普通のゾンビ映画を見たいというときにはうってつけの映画だと思うので、ゾンビ映画好きの皆様はぜひご賞味ください。

ちょっとだけ追記:レビューを書くにあたってAmazonのページを読んでいて初めて気が付いたんですが、今作はアメリカで流行している(していた?)「HUMANS VERSUS ZOMBIES」というロールプレイングゲームを題材にした実写映画らしいです。Amazon曰く、これは「キャンパス内などの限られた範囲で人間役とゾンビ役が戦うこのゲーム」らしいのですが、〝これを題材にした映画〟という観点から今作を評価すると点数は0点です。

確かに今作にもこのゲームをやっている描写はありますが、扱いがあまりにも雑で下手な上、本編とはほぼ無関係という有様。この映画を単なるゾンビ映画としてみた時の評価はC+ですが、元ネタを考慮した場合の評価は少々悲惨なことになりそうです。まあ、それを知らずに見れば普通のゾンビ映画なので、これはこれでいいんじゃないでしょうか。では、今回はこのあたりで!

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