「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

パンデミック・サイトのレビューです(総合評価C−)

(画像:Amazon商品ページより引用)
 レンタル版を字幕で視聴しました。まずはあらすじからどうぞ。
【あらすじ】
ソーシャル・メディア・サービス「レッドルーム」が全世界で大流行、世界中の誰もがこのサイトに動画や写真を投稿してつながりあっていた。大みそかの日、女子学生のサムは突然レッドルーム上で彼氏に別れを告げられ、衝動的にアカウントを削除、そのまま友人のマーク宅の年越しパーティーに参加する。しばらくパーティーを楽しんでいた若者たちだったが、そのうちにレッドルーム上のチャットやニュースでただならぬ異変に気づき始める。突然人々が凶暴化、またたく間に惨殺、暴力の狂気現象が世界中に広がっていった。マークの家の周りでもゾンビのように群れをなした凶暴化した人々で溢れかえり、サムたちは窓やドアを内側から家具で防御し、外のまだ無事な友人たちと必死にネット上で連絡をとりながらこの原因を探っていた。やがて恐ろしい真実が明らかになってくる。サイトの訪問数を上げるために、レッドルームのエンジニアが人間の脳に影響するサブリミナルプログラムを開発、おかげでこのSNSは大ヒットしたのだが、プログラムが突然変異、本当のウィルスのようにネットワークを介して人間の脳に寄生、理性を破壊してしまうのだ。そして、部屋に閉じこもっているサムの友人たちも一人また一人とレッドルームのウィルスに感染し始める。果たしてこのウィルスを防ぐワクチンはあるのか? ようやくたどり着いたサイトで得た対処法、しかしそれは更に恐ろしいものだった・・・・・・。(あらすじ:Amazon商品ページより引用)
ストーリー………C
ゾンビの質………C
キャラクター……C
設定………………C
総合………………C−
オススメ度………C

 【良い点】
・設定が面白い
・ラストシーンが良い
 
【悪い点】
・物足りない
 SNSを介してゾンビウイルスが広がる……という、なんとも一風変わったゾンビ映画です。設定自体は面白いのですが、予算の関係かなんとも地味目な仕上がり。先に2を見てしまったため、いらぬ期待感が先走った結果、「思ってたのと違う」という、レビューとしてはなんとも残念な結果になってしまいました……。お兄さん許して。
【以下、ネタバレ注意!】
 思ってたのと違った(重要)
 さて今作ですが、SNSを介してゾンビウイルスが世界中に広がる……というお話です。SNSから感染するウイルスってなんだよ、と思う方も多いと思いますが、ポリゴンショックよろしく光自体が人体に悪影響を及ぼす事例は多々あるから、画面越しに相手を感染させる光運動のパターンを組むこともできるのではないでしょうか(適当) 9Sかな?(小声)
 では早速、今作の詳細な内容を見て行きましょう。まずは良い点から。
 今作の良い点は、設定が面白いということと、ラストシーンがすこだということです。
 前回、続編映画(アンチソーシャル)のレビューでも書いたことですが、SNSを介してゾンビウイルスが広まるという設定は、明らかにこの映画と他の映画との差別化ポイントです。今作は、「一体ウイルスの感染源はなんなのか?」「なぜSNSにウイルスが流れたのか?」という謎の判明も見どころの1つとなっているため、ストーリー的にもこの特異な設定はなかなか面白かったように思いました。
 何よりも、いきなりウイルス流したわけではなくて、元々はSNSをたくさん使ってもらうためのサブリミナルを仕込んでたのが、いつの間にやら……という設定、これが面白かったですね。単に、光パターンで感染するウイルスプログラム作って流した、というだけではなく、そこにもう一つプラスの設定があるのは良かったと思います。また、ゾンビウイルスに感染すると、特有の幻覚幻聴が発現する描写も独特の雰囲気があって良かったと思った。
 そしてもう一つの良い点。というより、ここがこの映画において1番良い点だと思った、ラストシーンについて。この映画は、頭に穴開けてウイルスの除去に成功したヒロインが、単身ゾンビの死骸だらけの街中をウォーキングする場面で幕を閉じます。しかし、単に歩いてるだけでは終わらず、なんと処理したはずのゾンビたちが次々と蘇っている、という報道が聞こえてくるのです。例に漏れず、ヒロインの周りに転がってた死体たちも次々と起き上がり始め、完全に囲まれてしまう主人公……というところでエンドです。
 まあ、文字に起こしてこれだけ読んでると「ほーん」としか感じませんが、このゾンビ復活時の演出とかがなかなかGOODでしたんです。感染源特定成功、治療も成功、世界中に治療法が拡散という、これで事態も終息に向かっていくんやろなぁ……という空気から一転、この展開ですからね。なかなか「おぉっ」と思わさせられました。続編のラストもそうでしたけど、ラストシーンの演出の仕方は共通して上手いですね……次作の展開に期待を持てます。
 と言うわけで、良い点は以上でした。続いては悪い点を。今作の悪い点は、緊迫感が不足していることと、全体的に地味なことです。
 まずこの映画、SNSを介して世界が一斉に感染……という題材を扱っているにもかかわらず、舞台がほぼ家の中での籠城で完結してしまっているため、街中や大学内などにおいて一斉に発症する……みたいな、インパクトのあるパンデミックシーンがありません。咥えて、籠城中に友人が発症して襲われる的な展開はあるものの、外部からの攻撃を受けるシーンもほぼ皆無なため、外はゾンビだらけのはずなのに、多数の感染者に追われたり襲われたりする展開がなく、どうにも緊迫感に欠けます
 また先述の通り、全世界が感染というそのスケールに反して、お話的には家の中で全て完結してしまう構成なため、どうしても全体的に地味な印象がつきまといます。友人が発症した際にも、基本的には即対処してしまうため、「感染→殺害→どうしよう→感染→殺害→……」的な流れが続きます。私はこれがどうしてもダメで、中盤から退屈さがつきまとってきてしまいました……。
 しかし、ここで誤解のないように言っておきたい。これはあくまでも、私が期待したものと違った展開であるがゆえの低評価ポイントであるということを。現にこの映画、ネット上での評価を見ている限りだとさほど悪い評価ではありません。むしろ良いです。
 確かに今作は、低予算の割には見せ方や演出の仕方はなかなか上手いし、籠城籠城&籠城ばっかりな割には場の持たせ方とか上手だし、感染の描写とかに工夫も見られるし、良い部分は多くあります。しかし、続編を先に見てしまった私としては、「続編がこんな始まり方ということは、前作はSNS介して全世界にウイルスが広まる話なのかぁ。じゃあ、SNSを見てた人が街中で一斉に倒れたり、建物内で急変する人が続出したり、もしかしたら電車内での感染爆発シーンとかもあったりして! パンデミックシーンをどう描いてくるのか、これは期待が高まりますなぁ!」とか勝手な期待を膨らませてしまったんです。

 その結果が「お前家の中ばっかりでパンデミックシーン全然ないじゃねぇかよ! ゾンビも全然押し寄せて来ないじゃねぇかよ! 思ってたのと違う!となってしまったわけです。だって、続編の冒頭で「前作ではSNS介して全世界がゾンビだらけになりました」とか言われたら、派手なパンデミックシーンとか期待するじゃん! 低予算映画なのはわかってたけど!
 というわけで、今回の悪い点は全て、この映画に対する悪い点というよりは、私の期待してたものと違うという意味での悪い点にしかなっておらず、ぶっちゃけ映画に対するレビューとしては適切でない気がします。でも、実際に見終わった時、そういう感想しか持てなかったんだから仕方がない。この映画とは変な先入観なしに、頭がまっさらな状態で出会いたかったですーーだって、変な期待を持ってしまったどころか、感染源も、ウイルスに対する対処法も、誰が生き残るのかについても、全部分かった状態で見ちゃいましたからね……。もし、続編からでなくここから見始めれば。そうすれば、この映画に対する評価も大きく変わっていた……かもしれません。つまり、続編だと明記せずに勝手にタイトル改変してクッソ紛らわしい状態で出したクソ配給会社が全部悪いと思います(責任転嫁)
おう竹書房、お前のことやぞ。
 総評ですが、個人的にはあんまり面白くなかったです。しかし、挙げてきた悪い点は先述のとおりまるであてにならないこと&ネット上の評価はむしろ高評価が多いことなどから、設定に惹かれた方は是非ご自分の目で確かめてみることをオススメしたい映画です。この先は君の目で確かめてくれ!
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