「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

デッドウォーカー インフェルノ のレビューです(総合評価D+)

(画像:Amazon商品ページより引用)

ナチスくん有る事無い事押し付けられてそろそろ可哀想(同情)

 レンタル版を字幕で視聴しました。まずはあらすじからどうぞ。

【あらすじ】

“特殊部隊出身のダンと仲間たちは日頃のうっぷんを晴らすため、ハメを外して遊ぼうと人里離れた山奥のキャンプ場へやって来た。
大勢の人々がいる中で、大人の色気を醸し出す女性リーンに好意を抱いたダンは、仲間たちと楽しいひと時を過ごしていた。
一夜明け、激しい頭痛で目が覚めたダン。二日酔いとは違う痛みに違和感を覚えたその時、背後からけたたましい悲鳴が轟いた。
目を向けるとそこには、ゾンビ化した男の餌食となった女性の姿が! その後、どこからともなく姿を現し増殖し続けるゾンビの群れに襲われ、犠牲者が増え続ける中、
ダンやリーンたちは“ゾンビ撲滅””を掲げ、あらゆる武器をかき集め、果敢に立ち向かうことを決意する。果たしてこの危機から無事に脱出することは出来るのか! ?(あらすじ:Amazon商品ページより引用)

ストーリー……D
ゾンビの質……C
キャラクター…C
設定……………D

総合……………D+
オススメ度……D

【良い点】
・アクションの出来はそこそこ

【悪い点】
・とにかくアホしかいない
・緊張感がかけらもない
・ギャグにもマジにも振り切れていない中途半端なストーリー

 ぶっちゃけ面白くないです(直球)
 序盤はゾンビ映画のお約束よろしく、キャンプ場での感染発生と拡大から始まるのですが、これがなんとも緊迫感や迫力に欠け盛り上がらず、中盤からは突然ネオナチ出てきたりと割とメチャクチャな内容でした。そして、その内容のぶっ飛び具合の割にはなんとも微妙……。
【以下、ネタバレ注意!】

ナチスくん何でもかんでも濡れ衣着せられてかわいそう。

 さて今作ですが、キャンプ場で突然ゾンビと謎の勢力に襲われた一行が、訳も分からないまま頑張るお話です。これだけ書くとクッソ平凡ですね。まあ、内容的にもアレなんですが……。では早速、今作の良い点から見ていきましょう。
 今作の良い点は、アクションの出来はそこそこ良いということです。
 この映画の主人公たちはなんか結構強いので、ゾンビ相手に近接戦闘を仕掛けてなかなか派手に立ち回るシーンがそこそこ見られます。またゾンビ相手だけではなく、謎の監視員(主人公たちがキャンプ場から逃げないよう見張ってる謎のおっさんたち)や、敵勢力の結構強い人とか相手にも肉弾戦を仕掛けたりするので、アクションシーンの出来は良かったと言えるでしょう。特に、ラストの筋肉モリモリマッチョマンの変態との肉弾戦とかはなかなか。
 はい、良い点は以上です。以下は不満をつらつらと。
 今作の悪い点は、ストーリーというか、話の構成がとにかく中途半端すぎること、それに加えて、敵も味方もアホしかいないこと、この2点に尽きるかと思います。
 まずストーリーについて。今作、キャンプ場で突然ゾンビが発生し、参加者たちが逃げ惑う! という流れ自体は平々凡々で特に特質することもないんですが、そのキャンプに参加していた主人公たちはなんと元特殊部隊のため、この事態にまるで動揺することもなく冷酷無比にゾンビに対して無双を仕掛る、ここからお話がスタートするのです!
 まあこれだけ聞くと「おっ、元特殊部隊VSゾンビとかなんか面白そうやん!」と思えるんですが、実情はそんな甘いもんではありませんでした。
 まず、ゾンビ発生→主人公たちの無双の流れがとにかく早すぎて、非常な事態に対する緊張感が全くありません。はっきり言って主人公くんたちは強すぎる&ゾンビが弱すぎるため、緊迫感皆無なのです。しかも、主人公たち除いた一般人の皆さんも、なーんかゾンビに対する反応があまり芳しくなく、最初のパンデミックシーンがどことなく雑なのも痛かった。
 しかし、それだけならまだセーフですよ。問題なのは、主人公たちはこの世界では強すぎる癖に、全くもって有能ではないということです! つまり、どいつもこいつも
ゾンビへの戦闘能力だけしかまともな取り柄がなく、その他の面についてはとても元特殊部隊とは思えないほど無能なため、話がぜんっぜん盛り上がってこないんだよ!
 
 ゾンビの後ろに、この騒動をけしかけている黒幕がいることは明らかであり、なんとかして脱出口を探らなければならない、というのは明白であるにもかかわらず、自分たちから仲間割れして状況を悪くしていくわ、どいつもこいつも喧嘩っ早くて話にならないわ、ゾンビやら監視員やら蔓延る森の中でクッソ無用心にゴリラみたいな女とイチャつき出すわで……つまるところ、もうとにかくゾンビに対しての舐めプがひっどい
のです! しかも、そんな舐めプ無能キャラ満載なくせして、その言動や行動にこれといった魅力があるわけでもなく、キャラクターたちを全然好きになれない。これがいけません。
 戦闘力の高さは認めますが、オツムの出来が圧倒的に足りていないこんな奴らに舐めプされまくるクソ雑魚ゾンビくんたちにも責任はありますが、それならそれでコメディ方面に振り切れば良いものをそれも全く出来ておらず、かと思えば有能な特殊部隊員がその経験を活かしてゾンビだらけの森を突破し、知略と筋力を活かして裏にいる黒幕と対峙する! 的な真面目な方面にも話を向けられていないせいで、「なんかちょっと強いだけの魅力皆無でアホなおっさんたちがクソ雑魚いゾンビ相手に舐めプしまくるだけ」とかいう、実に中途半端でどっちつかずな内容にしかなっておらず、つまり全然面白くねーんだよ! ここまでが前半の文句です。
 後半は後半で、なんかゾンビの裏にいたのはヒトラー崇拝するネオナチの一味だったことが分かるんですが、ここからはここからで問題が山積み。ネオナチの紹介シーンやたらと長くてだれてくるし、拷問シーンはなんか口答えするたびに指折るシーン挟むせいで無駄にテンポが悪いし、超能力使いとか出して来たせいでなんかコンセプトがぶれぶれになってるし、これ以降ゾンビ完全に空気だし、何よりネオナチの一味がクッッッソ無能揃いなんでここからもやっぱり全然盛り上がってこないんです!
 敵がドアの向こうに沢山いる→敵を誘い出すためにドアを開ける→敵が1人だけ入ってくる→閉める→ボコる→開ける→敵が1人だけ入ってくる→ボコる……のシーンとか特にひどかった。敵も味方もアホしかいねーじゃねーかよ! 
総評ですが、「ゾンビに襲われた主人公たちが、実は元特殊部隊! その経験を活かし、ゾンビをバッタバッタと薙ぎ倒す! そしてついに、この騒動の裏にいるネオナチ一味をあぶり出し、彼らと対決!」という、真面目に作ってもコメディチックに作っても面白くなるはずのこの設定で、よくもこんな面白くない映画作ったな、と思ってしまうレベルの内容の作品でした。一応、アクションシーンの出来はなかなか良く、B級ゾンビ映画としてはかなり頑張ってる方だとは思うんですが、ストーリーがどうにも好きになれなかったです。
 ネット上ではそう悪くない評価も見受けられるので、気になった方とヒトラー付きの方はいかがでしょうか。
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