「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

バッド・ローン 借りすぎた女たち のレビューです(総合評価D−)

(画像:Amazon商品ページより引用)
 借りすぎた(借りてない)
 借りてないじゃないか(憤怒)
 さて今作ですが、レンタル版を字幕で視聴しました。吹き替えないです。
 ではまずは、Amazon先生のあらすじからどうぞ。
【予告編】
見つかりませんでした……(小声)

【あらすじ】

カフェ経営の夢を持つベックスとドーン。理想的な物件も見つかり開業資金を工面するだけ。しかし銀行から融資を断られ窮地に陥っていた所、カフェ支援をしたいとビジネスマンのジェレミーが現れる。遂に夢が現実になると有頂天の彼女たちだったが、ジェレミーは鬼畜の闇金業者だった…。(あらすじ:Amazon商品ページより引用)
ストーリー……
キャラクター…
設定………………
総合……………D−
おすすめ度……
【良い点】
・この手の映画お決まりの復讐一転攻勢シーンがあまりにもガバガバすぎて逆に楽しめる人もいるかもしれない
 
【悪い点】
・登場人物が全員アホ
・ヒロイン2人が明らかにキャスティングミス
・全体的にとにかく無駄が多く見ていてイライラする
 悪質な金貸しに対する復讐系のムービーのはずなんですが、ヒロイン2人がとにかく可愛くない。なんでこんなおばさん2人をキャスティングしたのか、これが分からない。
 さらに、貸す側も貸される側もアホしかいない、金貸しの話なのに契約書的なものが一切出てこない、というか言いがかり100%でそもそも貸してないなど、製作陣には頭悪いやつしかいねーのか、という感想しか出てきませんでした。
【以下、ネタバレ注意!】
 バカしかいねえのかこの映画は(憤慨)
 さて今作ですが、金借りてないのに借りたことにさせられて借金返済を迫られる映画です。ちなみに、1,000ポンド借りた事にされて返済額はまさかの4,000ポンドというものすごい利子率で、その後も貸し手の気分によって5,000とか6,000に底上げされていき、最終的な返済額は10,000ポンドでした。カイジかな?
 さてそれでは、早速この映画の良い点と悪い点を見ていきたい……んですけど、ハッキリ言って内容がガバガバすぎて良い点が……その……(発言遠慮)
 なので、いきなり悪い点行かせてください。ごめんなさい、逆に良かった部分があれば教えていただきたい。
 今作の悪い点は、登場人物全員アホなことと、展開に無駄が多くてイラつくことです。
 まず展開の無駄について。これは主に、前半での話です。この映画はもう見ての通り、借りた金の返済に関して右往左往させられる辺りからがやっと本編開始だと思うんですけど、そこに行き着くまでの展開がもうホンットにクドいんです。具体的には、前半30分は無駄話のオンパレードと思ってもらって結構です。
 まあ、金借りる側がなんで資金難になってるかの話はそこそこ大事だと思うんで、その話も無駄多めとはいえそこはまだいいんですけどね、金を貸す側のおっさんの家庭事情とかのシーンはホントマジでどうでもいいんだよオラ。
 しかしこんなのは序の口でした。この映画の真にやばい点は、出てくるキャラが揃いも揃ってアホしかいないことです。というか、シナリオがシナリオなせいで全員アホに見えるんです。これがかなりの大問題で、今作全体の評価とも大きく関わってくる問題となっています。
 まずこの映画の、見所となりうる部分はどこなのか考えてみましょう。借金返済系で、かつ相手への復讐もメインの映画なのですから、自ずと見所となるべき部分は決まってきます。普通に考えれば、①金借りるまでの件、②金返すためにあれこれする件、③理不尽金貸し相手に復讐の件、の3箇所が候補に挙がるのではないでしょうか。しかしこの映画では、この3箇所、どれもこれもが見所、盛り上がり箇所としてまるで機能していません。その理由こそが、とにかくキャラがアホしかいねーからなのです。
 まず、①金借りるまでの件については、先に述べたようにクソどうでもいいシーンが多く挿入されてくるためテンポが悪い。そしてそれ以上に、金貸し側の理論と舞台設定がメッチャクチャすぎて、「はぁ?」という感情しか湧いてこないのです。なぜならこの映画、貸した金に対しての無理な取立てをテーマにしていながら、そもそも金貸し側が金を貸してないんです!
 いや、金を貸す直前までは行くんですよ。しかし、1,000に対しての4,000返せという金貸し側の滅茶苦茶な要求に対し、借りる側は当然「そんな暴利なら借りんわ」と拒否するんです。普通ならそこで話が終わるところ、なんとこの映画、「さっき金借りたいって言ったもん! 利子高すぎるからって今更断れないもん! 断るなら即刻キャンセル料4,000よこせ!」とかいう小学生みたいなことを言い出し、その滅茶苦茶な理論を脅しと暴力だけで最後まで押し通すんです。は?
 100歩譲ってですよ、例えば「確かに貸す時に利子の話はしてなかったけど、契約書の中にちゃんと4,000返すって書いてあるやん。キャンセルする場合も4,000かかるって書いてあるやん。見落としたお前らの落ち度やん」みたいに多少なりともこちらにも非のある論理口撃してくるんならまだいいですよ。しかし今作は驚くべきことに、仮にも金を貸す借りるという話でありながら、契約書はじめとした書面が一切登場しないのです!
つまり、利子に関する件に関しては、完全な後出し以外の何物でも無いんです! 嘘やん。
 いやね、こういう映画って、なぜこの相手から金を借りないといけないのか、みたいな件ってホント重要だと思うんですよ。暴利だとは思いながらも、痛いところを突かれ、弱みに付け込まれ、相手の巧みな話術に騙されて、追い込まれて借りてしまう。そこからさらに泥沼にはまり、借金が借金を呼ぶ地獄へと転落……そんな流れ自体が見所の1つだと思うんですよ。それをですよ、巧みな交渉もしない、書面すら出てこない、挙句小学生バリの理論で貸してすらない金を貸したと言い張る――こんなもん見てて面白いわけ無いだろ!
 というわけで、金を貸すまでの件がもうガバガバなので、必然的に②金返すために奔走する件も酷いです。というか、ここがとにかく酷いです。そもそもまともな契約をしてないんですから、何かにつけて相手にイチャモン付けまくって来るんですよ。
 具体的には、最初は4,000って言ってた返済額を貸し手の気分だけで引き上げたり、返すと言われた金を直接受け取らず、「指定の場所に置いてある箱の中に現金入れておけ、後で回収するから」とかいうクソ回りくどい方法を指定した上に、それを言われた通り実行したヒロインに対し「箱の中にあるはずの現金見つからなかったからノーカン」とかいういよいよ本格的に小学生みたいなイチャモンつけ出す始末。いや、こっちは言われた通りに行動したんやから、仮にマジで金なくなってたとしても完全にお前の落ち度やろ。
 そして最終的には、それでも追加で5,000恵んでくれたヒロインに対し、「勝手に返済するとは何事や! 納得いかん! 次は10,000返せ!」と真面目に小学生でも言わなさそうなゴネを振りかざすオッサン。これをマジで面白いと思って作ってるんならいよいよ頭おかしいよ。
 と、金の貸し借りがメインの映画でありながら、金の貸し借りに関しての流れはことごとく壊滅的にガバガバというありえない事態を潜り抜け、いよいよラスト、③頭悪いおっさんに対しての制裁、スカッとする復讐シーンへ! ……行くはずだったんですが、これもまるで盛り上がりませんでした。
 要因としては、復讐する側は本気でおっさんを殺そうとしているくせに、用意したのがまさかのクソ雑魚出力スタンガンだけという舐めプをかましたため、おっさんに逆にボコボコにされたこと、そもそも復讐するためにおっさんを誘い出す方法が、クッソ今更な色仕掛けというあまりに見え透いたものであったこと、そして何より、これだけ好き勝手振舞っていたおっさんがババア相手に呼び出された途端、「もしかしたら相手は自分を殺そうとしているのでは……」的な可能性を一切考えずに、それまでいつも一緒にいた用心棒すら連れて来ずに、ウッキウキで見え見えの色仕掛けに自ら飛び込んで行ったことなど、復讐シーン全般の流れがあまりにも雑すぎて逆に笑えてきてしまうからです。何より、ババア2人相手に浮かれてたおっさんはマジで救いようがなかった。なんでこういう時だけ用心棒連れて来ねーんだよそれまでずっと一緒(意味深)だったじゃん。
 総評ですが、登場人物全員頭が悪い→そのせいでなんの盛り上がりも無い→結果見ていられない。そんな映画でした。「こんなこと言われたらカネ借りちゃっても仕方ない」とか、「これだけ弱みに付け込まれたら……」とか、そういう心を揺さぶられる部分が一切無いんですよ。そういった部分は、全部脅しと暴力だけで解決させますからね、この駄作。いやさ、現実にこれだけ脅されたら云々とかリアリティがどうとか以前に、脅しと暴力とクソ低レベルなイチャモンと気分で返済額決められる内容で作った映画がさ、面白いわけ無いだろ!!!
 しかももう1つのメインである復讐シーンも、ババア2人の色仕掛けというクッソ原始的で何の捻りもない方法&それにウッキウキで引っかかっちゃうアホ、とかいう構図でやられてもさ、スカッともスッキリもするわけないだろ!!!
 というわけで、登場人物もアホならシナリオもバカらしく、作った人もバカしかいねーんじゃねーのかと嫌が応にも思わさせられてしまうような映画でした。見なくていいんじゃないかな。
>

©Copyright2021 第B級映画レビュー小隊