「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

ニンジャ VS ミュータント・ゾンビーズ のレビューです(総合評価C−)

(画像:Amazon商品ページより引用)
ゾンビ全然出ないんですけど(憤慨)
こちらの映画ですが、レンタル版を字幕で視聴しました。吹き替えはなかったと思います。
 それではまずは、Amazon先生のあらすじと予告編からどうぞ。

【予告編】

【あらすじ】
“世界大戦争終結から数年後。生き残った四つの忍者一族は、それぞれに不思議な能力を纏っていた。
火拳を放つ「サザン」、強力な咬合力を持つ「マイティー・デザート・ドラゴン」、妖力で男を惑わす女系「サイレンズ」、
そして、ある理由で人目を避けて暮らす、電磁波を操る「ザ・ロスト」。
ケージ率いる「ザ・ロスト」5人は、全忍者の最高指揮者フミタカの招聘で地中深くの隠れた会議所で行われる平和会議に参加する。
フミタカが「我々に脅威が迫っている、今こそ団結すべき」と宣言した直後、彼はその場で暗殺されてしまう。
フミタカの部下に濡れ衣を着せられたケージは他の忍者たちに襲われるも、仲間とともにその場を切り抜ける。
地中を彷徨ううち、ケージたちは恐ろしい真実を知ることになる。そして、ケージたちを追ってきた他の一族たちも同様に…。
果たして彼らの、忍者たちの運命やいかに! ?(あらすじ:Amazon商品ページより引用)
 
ストーリー……D
キャラクター…C
ゾンビの質……C
アクション……B
設定……………D
総合評価………C−
オススメ度……C

 
【良い点】
・アクションの出来は悪くない
【悪い点】
・クッソ説明不足、というより多分作ったやつが設定何も考えてない
・ゾンビの扱いがクッソ雑
・ストーリーもクッソ雑
 
ニンジャVSゾンビとか言ってますが、内容的には「ニンジャもどきVSニンジャもどき マジで時々ゾンビ」くらいの内容でした。話の大半はニンジャ一族同士の内輪揉めなので、ニンジャとゾンビの対決みたいなのを期待して見ると確実に痛い目を見ると思います。幸いにもアクションの出来はまあまあなので、見ていて死ぬほど退屈……ということはありませんが、ストーリーがね……。
【以下、ネタバレ注意!】

 

  ゾンビの扱いが雑すぎる(苦言)
 さて今作ですが、なんか世界大戦? で文明が吹き飛んだ後の世界を舞台に、そんな世界の片隅で生き残ったニンジャ一族の部族内小競り合いを見せつけられる、という内容の映画です。結局内容的には完全なるニンジャモドキ同士の内輪揉めなので、世界大戦とか文明崩壊とか、舞台設定は壮大な癖に話のスケールが小さすぎるんだよなぁ……。
 というわけで、早速今作の内容を見ていきましょう。とりあえず、悪い点からいきましょう。
 この映画の悪い点は、ストーリーも設定も、何もかもがクッソ雑であるということが挙げられます。これが大問題。
 まず今作は見ての通り、忍者を題材とした映画ではございますが、案の定今作に出てくる忍者は忍者ではありません。完全なる「ぼくのかんがえたニンジャ」です。しかもそのレベルはあまりにも酷く、なんか見た目がトカゲみたいな部族もいれば、セクシーなだけのネーチャンがニンジャ一族名乗ってたりするので、実態はかなり滅茶苦茶なことになってます。
 しかもこいつら4部族くらい出てくるくせに、その部族の中には、クナイとか小刀とか黒装束とか、一般に想像される忍者の格好した奴らが1人もいない上、どいつもこいつも忍ぶ気ゼロでクッソ喧嘩っ早いのも、今作のニンジャモドキ感を加速させている要因ですね……まあ、忍者が忍者してねーじゃんってことについては、日本も言えたことではないけどな!(開き直り)
 そしてニンジャ部分のみにとどまらず、今作はありとあらゆる設定がクッソ雑&テキトーなのです。例えば、今作は隣国がニンジャの国に攻めてくることに対抗するために、ニンジャの偉い人が内輪揉めしてばっかのニンジャども集めてニンジャ評議会を開催する、というのが基本軸となるのですが、この肝心要の隣国は名前出てくるだけで実態がちっとも分からないし、結局最後まで終始内輪揉めで話完結するせいで隣国出てこないし、なんで人類吹き飛ぶレベルの内戦起こったのかも全くわからないし、話が地下会議場から広がらないせいで世界がどうなっているのかも分からないし、そもそもニンジャってなんだよ、と言うところも完全なる説明放棄……と、今作は基本的に何もかもが説明不足で分からない事尽くしなのです!
 しかし、それだけならば今作はただのガバい映画で済んだでしょう。それ以上に酷いのが、今作はゾンビを出しておきながらそのゾンビに関する説明がものの一切ないことです! もう、「ニンジャ地下会議場のさらに地下潜ってみたらなんかゾンビいた」以上の説明が、今作にはマジでものの一切、なーんにもないのです! ゾンビたちの発生源も、正体も、なんでニンジャ会議場の地下にいたのかも、設定説明完全放棄ですよ。なんか「前の大戦のときの兵器かもねHAHAHA」ってこと以外、なんのフォローもないんです。
 しかもさらに酷いことに、こいつらものの10分程度でゾンビだらけの地下から脱出した瞬間、ゾンビのことなんて全く御構い無しでさらっとニンジャ同士の内輪揉めに戻っていく、と言う始末。もちろんゾンビは、その前にも後にも、ストーリーにはまるで一切絡んできません。マジで「地下に降りたらなんかいたやつ」以上の意味がないんです。誇張抜きで、ゾンビ要素を丸々抜いてもこの映画のストーリーは問題なく成立するレベル。そのくらい、ゾンビの扱いがクッソ雑なのです。
 これははっきり言って本当に酷いですよ。だって、「ニンジャが出てきて戦う映画作りたいけど、なんでニンジャ同士が戦うのかとか考えるのめんどくさいし、ゾンビも好きだからゾンビも混ぜたいけど設定考えるのめんどいからまあ出しとけば良いか!」って姿勢しか感じられないんだもん。お前、そこまで開き直るんだったら、クッソどうでもいいニンジャ同士の内輪揉めばっかしてないで、いっそ色んなモンスター出してお祭り映画みたいにしろやオラァン!?
 とまあ、今作はそんな感じの愚痴が真っ先に浮かんでしまうような残念な映画なんですが、反面良い点もきちんとあります。それは、アクションの質がまあまあ高いということです。
 この映画はゾンビそっちのけな内容ながらも、ニンジャ同士の対戦アクションはまあまあ面白いんです。CGを使ったそこそこ派手な描写もありながら、アクションの基本である格闘戦も割と手を抜かずにやってくれるので、こと戦闘シーンに関しては見ていてさほど退屈しませんでした。これだけは褒められると思います。はい。
 総評ですが、やりたいこと優先し過ぎて見る側のことなーんも考えてないでしょ? と言いたくてたまらない映画です。そりゃ、変な人たちがニンジャ名乗るのも、そこにゾンビ出すのも自由ですけど、それならそれでもうちょっと設定とか世界観を固めないといかんでしょ。ニンジャ一族の内輪揉め抗争というメインストーリーと、ゾンビの登場が異様なまでにかみ合っておらず、ゾンビの存在が悪い意味ですごく浮いているんです。なんだこのテキトーな仕上がりは?
出すなら出すでそれなりの整合性を与えてやるとか、いっそ突き抜けてギャグ方面に持ってって視聴者に考える隙を与えずに走りきるとか、やりようはいくらかあったはずです。
 まあ、確かにアクション自体は悪くはないのですが、あまりにシナリオ面があれすぎて総合的に負債の方がでかくなってしまっているのが困り所さんな映画でした。個人的にはあんまりお勧めしないです。
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