「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

ラストナイト のレビューです(総合評価D−)

(画像:Amazon商品ページより引用)
 これを本気で面白いと思って世に送り出したのだとしたら、製作陣は救いようのないほどの無能である(辛辣)
 というわけで、ソリッドシチュエーションもののゾンビ映画です。レンタル版を字幕で視聴しました。吹き替えも付いてたと思います。まずはAmazon先生のあらすじ&予告編からどうぞ。
【予告編】
【あらすじ】
スリルあるシチュエーションで繰り広げられるゾンビホラー。深夜の森で車の中に閉じ込められたホープ。隣の席には見知らぬ女の死体があり、車の周りをゾンビの群れが取り囲んでいた。いったい何がどうなっているのか、彼女は記憶を失くしていて…。(あらすじ:Amazon商品ページより引用)

ストーリー……D
ゾンビの質……D
キャラクター…E
設定……………D
総合評価………D−

【良い点】
・(あるわけ)ないです
 
【悪い点】
・クソみたいなテンポ
・クッソうざいヒロイン
 とにかくヒロインがウザい。とにかくイラつく。何も褒める部分がない。
金と時間払ってイライラしたい変態にはオススメ。
【以下、ネタバレ注意!】
 擁護のしようもないゴミ(辛辣)
 さて今作ですが、目が覚めたら車の中で記憶喪失、助手席には謎の女、あたりは夜の森にゾンビ……というシチュエーションの映画です。面白そうだなぁ(視聴前並感)
 さて、それでは早速今作の詳細な内容を。しかしこの映画には良い点など何1つないので、早速悪い点からです。
 では、今作の悪い点について。正直叩くポイントはかなりあるんですけど、特に気になった部分について中心に書いていきますね。それはというと、ストーリーのペラペラさ&テンポの悪さと、ヒロインのウザさです。というか、ヒロインのウザさと無能さ、もう今作の問題はこれ一点と言っても良いでしょう。なぜなら、ヒロインがとにかく無能すぎてそれが話全体をダメにしているからです。
 今作は先に述べた通り、ゾンビ蔓延る森の中の車内で目覚めたヒロインが、手元の電話だけを頼りにこの状況を打開し生き残るために奮闘する……というストーリーになっております。これだけ聞くと、さながらゾンビ版「リミット(目覚めたら何故か埋まった棺桶に入れられてた主人公が、電話片手に奮闘する映画)」のような印象を受けるのですが、このヒロインが超絶無能すぎて話が全く成り立っていないのです!
これがもうとにかく大問題。
 例えば、

車内でゾンビに囲まれまくってもうどうしようもないような状況で、自分を助けるためにかかってきた電話の相手のことをやたらと疑う(=話が無駄に進まない)。

明らかに知り合いらしき男が車外でゾンビに襲われそうになってても絶対に助けない、それどころか車のドアに鍵かけて見殺す

その人物が姉の婚約者だと知り、「あなたと一緒にいるはずなんだけど、夫知らない?」と姉に聞かれても「んなもん知るかとっとと助けに来い!」と見殺しにした件について嘘ついた挙句逆ギレ

そのくせ、自分が逆に車から締め出された際には「クソッタレ、くたばれ!」などと熱いブーメラン発言

とっとと助けに来い来いと喚く割には、自分を助けに向かうという州兵からの「自分がいまいる場所の情報を教えて」という質問に対してなぜかブチ切れ、「何もわからんけどとっとと助けに来い!」とクソ喚くだけで、周りの情報を得ようとする努力を一切しない

自分がゾンビに噛まれた際、30分以内に車内のどこかにある解毒剤探して飲まないと死ぬって言われてるのに、悲劇のヒロインぶって電話向こうの相手に愚痴りまくるだけで一向に解毒剤を探し始めない

もう携帯のバッテリーないっつってんのに、自分を探してくれてる州兵相手にクソどうでもいい世間話を披露して電池を無駄に消耗させてからのバッテリー切れコンボ……まだ続けましょうか?

 というわけで、今作はそのコンセプトに反して、ヒロインがとにかく無能すぎて「状況を打開するために奮闘する」という話の根幹自体が完全に崩壊してしまっているのです。いくら記憶喪失だからと言って、いくらゾンビに囲まれているという非現実な状況だとはいえ、上記のようなヒロインの行動を、どう擁護したら「奮闘」などと言えるでしょうか? いや、言えない(反語)
 つまるところ、製作陣のクソ無能どもは完全に履き違えてしまっているのです。私が、私たちがこの手のソリッドシチュエーションもの映画に求めるのは、明らかに打つ手なしと思われるような状況に置かれていても、電話一本でなんとか自分の命をつなごうとヒロインが奮闘する姿であって、決してヒス持ち無能ババアが電話相手に罵倒と愚痴を浴びせる様を画面越しに見せつけられたいわけではないということを。
 百歩譲って! 百歩譲ってですよ! 制作側には「こんな絶望的な状況に置かれたら、このぐらいパニクった方がリアルだよね」という考えがあったのかもしれません。でもな、生き残るための努力もろくにしないヒロインがパニクってるだけの様を見せつけるのが面白いと思い込んでるんだとしたら、それは確実に傲慢な勘違いに他ならないでしょう。この状況に対してパニクっていいのは、せいぜい序盤から中盤にかけてまでやで。終盤まで通して終始クソ無能とか、そんなんじゃ甘いよ。
 千歩譲って! 千歩譲ってですよ! 制作側には、「こんな絶望的な状況に置かれながら、何も出来ないヒロインの苛立ちを、あえて視聴者にも共有させてやろう」と意図があってこんなイラつく仕様にしていたのかもしれません。だがな、それをしたいなら、ヒロインはあくまで普通or有能で、電話越しの相手を無能寄りに調整すべきでしょ。このままだと、この映画を見た私が感じた苛立ちは、ヒロインの無能さに対しての苛立ちであって、決してヒロインの置かれている状況や周囲の人間に対しての苛立ちとはなっていないからです。

「リミット」を見たときにも感じましたが、こういうソリッドシチュエーションもの映画の最も大事な点は、「いかに視聴者が主人公の立場に寄り添い、感情移入して映画を見続けていられるか?」という部分だと私は思います。その点この映画は、ヒロインに寄り添ってこの状況のハラハラ感や絶望感を味わうことが全くできず視聴者の分身ともなるべきヒロインがウザすぎて、彼女の死を視聴者である私自身が強く望んでしまう、という、今作の根幹をなすべきクソ重要な部分が根本から完全に崩壊してしまっているのです!
普通作る過程で気付くよね?(ブチ切れ)

 その他にも、ゾンビがご都合主義的すぎて全然ヒロイン襲いに来なかったり、後半完全に空気になってたりとゾンビの扱いがクソ雑な事とか、話がスッカスカすぎて全然状況が動かないせいでクソ退屈な事とか、いくつか言いたい事はありますが、もういいです。そんなのヒロインの無能さに比べたら些細な問題です。
 総評ですが、まごう事なきゴミ。1.5倍速再生で見てもキツいっす、多分。冒頭にも言いましたが、金と時間払ってでもとにかく今すぐにイラだちたい、という方以外にはとてもオススメ出来ません。
 ヒロイン役の人には多分罪はないんですけど、監督とか脚本とかその他もろもろの製作陣はもう2度と映画作らなくていいよ、と。そう思わさせられるくらいの代物でした。まあ、人をイラつかせる才能だけはあるかもしれない。
>

©Copyright2021 第B級映画レビュー小隊