「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

ゾンビ・サファリパーク のレビューです(総合評価B)

(画像:Amazon商品ページより引用)
キャッチコピー「ホントにホントにホントにホントにゾンビ狩り」
深刻な風評被害で提訴も辞さない。
 レンタル版を吹き替えで見ました。まずはAmazon先生のあらすじと、予告編からどうぞ。
【予告編】
【あらすじ】
 “20億人が犠牲となったゾンビ世界大戦から7年。
戦争で父親を亡くしたメラニーは、“アウトブレイク生存者サポート””でゾンビ狩り療法が良かったという評判を聞きつけ、パートナーのルイスとともに「リゾート」にやってくる。
しかし、何者かが「リゾート」のシステムに侵入しウィルスを仕掛けたことで、セキュリティが制御不能となり島中にゾンビが解き放たれてしまった。
しかも自動的に5時間後に島全体が戦闘機で空爆されるブリムストン・プロトコルが発動されていたのだ。
その頃、何も知らないメラニー達ツアー客は野外キャンプでゾンビ狩りを楽しんでいた。(あらすじ:Amazon商品ページより引用)
 
ストーリー………B
ゾンビの質………B
キャラクター……C
設定………………B
総合評価…………B
オススメ度………B

 
【良い点】
・ストーリー、キャラ、ゾンビ、構成など、全体的に完成度が高い
 
【悪い点】
・若干ゾンビの襲撃が単調
 全体的に見て、かなりクオリティの高い作品です。島でゾンビ狩り→制御がきかなくなり大混乱、というかなーりありがち、かつ読みやすい展開でありながら、構成自体はかなり堅実で飽きさせないような工夫が施されており、またストーリー的にもベタなままで終わらないようきちんと捻りが加えてあったりしてよかったと思います。ゾンビの質も標準以上で、レベルの高い作品でした。個人的には、かなりオススメできます。
 
【以下、ネタバレ注意!】
 パーク経営する時はセキュリティがガバらなければならないという国際法がある可能性が微レ存……?
 さて今作ですが、ゾンビ狩りを楽しめることが売りのアイランドにおいて、お約束通りのガバセキュリティくんが無様にも安安突破され、来ていた客たちに島中のゾンビが襲いかかってくるのでなんとか脱出しようと頑張る、という感じのお話です。素人相手にメインコンピューターをハッキングされるとかお前の警備ガバガバじゃねーか。
 ではそんなわけで、早速良い点から見ていきましょう。まずは良い点からです。
 今作の良い点は、作品全体において、B級ゾンビ映画としてのクオリティが高いということです。
 今作、ストーリーの流れ自体はわりかし単純で、特に前半〜中盤くらいまではほぼ初代ジュラシックパークなんですが、ストーリーのベタさに反してというか、期待に応えてというか、ふざけた邦題の割には内容的にかなりのクオリティがありました。
 例えばゾンビの出来栄え。今作はゾンビ狩りがテーマということもあり、登場するのはスタンダードな人間ゾンビのみとなっているのですが、これについては間違いなく標準以上のクオリティでした。メイクはもちろんですが、一体一体の動きが結構しっかりゾンビしているのがポイントが高いです。さらに、銃撃戦や逃走など戦闘にかかわる動きも悪くなく、総じて戦闘関連はハイクオリティを保てていたと言って良いでしょう。
 また、ストーリー自体はわりかし単純と先ほど言いましたが、そうとはいえきちんと各所に工夫も施されていて、これもポイントが高かったです。特に、ゾンビを狩る側の立場としてパークに入場した主人公たちが、いつの間にか狩られる側の立場へと逆転していた場面を大きな見どころとし、展開ごとに緩急やメリハリもちゃんと意識してあって、ダレることなく先の展開に興味を持って見続けていられます。さらに、ラストシーンのゾンビ大量爆撃脱出など、映像的にも派手で見応えあるシーンが用意されていたのも嬉しい。
 また、ゾンビ映画によくある「同じゾンビなのに走るやつ鈍いやつ両方出てくるのなんで?」という疑問に対しても劇中できちんと説明がなされているなど、細かい気遣いも見られます。しかも終盤は、このゾンビの速度の違いに関する伏線こそが大きな見どころとなっている、など、ストーリー上のゾンビの扱いに関してもなかなか丁寧に描かれているのも好印象。ただゾンビ狩りをする、という題材に留まることなく、そこに難民の問題やゾンビの人権なども絡めつつ、しかし戦闘やゾンビの出来に対しても手を抜かず、全体的にしっかりと見どころのある内容に仕上げてくれていたのはとても良かったと思います。
 とまあ、ここまでベタ褒めですが、やはりこんな今作にも小さな不満はありました。それは、ゾンビの襲撃に若干単調さを感じることです。
 今作、ゾンビの出来自体はかなり良いんですが、そのゾンビの襲撃方法についてはちょっと不満が。いや、一回一回の戦闘はなかなか見応えがあって面白いので、全体通して戦闘が単調というわけではないんですが、なんというか、「突然仲間が画面外からゾンビに襲われて死ぬ」パターンをいささか多用しすぎなように感じました。
 車の屋根に飛び乗ろうとしたところ、突然画面外から伸びてきたゾンビに腕を噛まれたり、ゾンビどもをフェンスの向こう側に閉じ込めたと思ったら、突然画面外から現れたゾンビに噛まれたり、ゾンビの大群から逃げ切ったと思ったら、突然画面外上から出てきたゾンビに噛まれたり……などなど。ちょっとこのパターンを多用しすぎて、またか……となってしまったのも事実。でも逆に言えば、悪い意味で気になった部分といえばこのくらいだったと思います。いや、キャラに腹立つこともあったけど、まぁ多少はね?
 総評ですが、総じて出来栄えはかなり良かったと思います。ベタながらもきちんと工夫の施されたストーリー、見どころも見応えもちゃんとあること、なかなかに良いゾンビの出来栄え、割と考えられた設定など、全体的な出来は間違いなく標準以上のものを持っていました。多少の不満はありますが、それを差し引いてもB級ゾンビ映画としてはかなり面白いです。私の方からは、非常にお勧めさせていただきたい一本でした。
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