「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

ボルケーノ・スパイダー(ラバランチュラ2)のレビューです(総合評価B)

なんで邦題変えたの?(殺意)
レンタル版を字幕で視聴しました。吹き替えは無いです。

前作は吹き替えあったのになんで今作は無いの?(殺意殺意)

さて、今作は見ての通り(レンタル版の邦題では分かりにくいですが)、ラバランチュラという映画の2作目です。もちろん話は繋がっているので、これを見る前に前作の視聴はほぼ必須と言えるでしょう。なので、まだ見てない人は見てください。神映画だから見て♡
 また今作は続きものであるため、以下のレビューは前作の視聴、もしくは私が過去に書いたラバランチュラのレビュー記事を読んでもらっていること前提で書いています。ご了承オナシャス!
それでは、まずはAmazon先生のあらすじ&予告編からどうぞ。
【予告編】
【あらすじ】
フロリダ州マイアミで、突然火山活動が発生。火山弾から出現したのは、溶岩を吐く巨大な蜘蛛。1年前にロサンゼルスを壊滅させた怪獣“ラバランチュラ”だった。ロスを救い英雄になったB級映画スターのコルトンは、マイアミでパニックに巻きこまれた娘を救出するため、再びモンスターに戦いを挑むことになる。だが、コルトンたちの前に立ちはだかったのは、さらに凶暴になった火山蜘蛛の大群と、体長100メートルを超える巨大怪獣蜘蛛の猛威だった!!Ⓒ2016 NEW DAZE DISTRIBUTION, LLC. ALL RIGHTS RESERVED(あらすじ:Amazon商品ページより引用)
ストーリー……
クモの質………C
キャラクター…
設定……………D
総合評価………
オススメ度……

【良い点】
・相変わらずテンポが良いので見ていて飽きない
・ラストバトルが燃える
 
【悪い点】
・盛り上がりに欠ける(前作比)
 相変わらずクモ映画撮らせたら面白いモノを作るなぁ……と感心してしまう映画です。これ単体の映画としてみると、B級モンスター映画としては十分すぎる水準に達しているとは思うのですが、いかんせん前作が面白すぎたせいでどうしてもパワーダウンを感じてしまう結果に……。続編出たのは嬉しいけど、シリアスとギャグと燃えるような熱いバトルが完璧な配分で折り重なったあの前作路線を貫いて欲しかった。
 
【以下、ネタバレ注意!】
 なんでアイアンマンスーツ着ないの?(半ギレ)
さて今作ですが、言わずと知れた某神クモ映画の続編です。大人の事情(販売会社変わった?)で名前が変わってしまっていますが、内容的には完全に『ラバランチュラ2』であるため、邦題に騙されて前作のラバランチュラ見てない人が借りると内容が全然分からん、ということになると思います。なんやこのトラップ。
 普段無断で他映画のタイトルパクりまくってるくせに、こんな時だけ弱気で他社に気遣ってんじゃねぇぞ(正論)
 まぁ、タイトルに関する愚痴はこの辺にしまして、早速中身の方を見ていきましょう。後、今更言うまでも無いと思いますが、今作はラバランチュラの続編であり、話やキャラクターもしっかりつながっているため、内容を楽しむためには前作の視聴がほぼ必須です。ですので、まだ前作を見てない人は先に前作を視聴してください。というより、前作はマジで素晴らしい映画なので、今作見るつもり無い人も前作だけは見てください、マジで。
 では、前作の視聴(もしくは私の前作のレビューを見たこと)を前提にして、以下に今作の評価を書いていきたいと思います。まずは良い点から。
 今作の良い点は、相変わらず話のテンポが良いので飽きずに視聴できることと、相変わらずラストバトルにちゃんと盛り上がりがあることです。
 まずはテンポの良さから行きますね。前作のラバランチュラよろしく、今作も話のテンポの良さはガッツリ健在でありました。ストーリーの中身自体は前作以上に単純になっており、モンスターも相変わらず火を吹くクモくらいしか出てこないので、続編にして単調さや飽きが大きくなってしまっているのでは……?とも思えますが、その心配はご無用。
 序盤からなんの説明もなしに突然ラバランチュラ大量出現させて展開にエンジンをかけ、それ以降も常にラバランチュラとの戦闘or逃げをしながら、その合間に話を入れていく、というくらいのバランス。そして、新種のクモの登場やクモの弱点を突きながらの一工夫ある立ち回り。さらに、クモからの逃げを重視した娘パートからの視点と、クモの殲滅を重視した主人公パートからの視点という、異なる視点の切り替え……などなど、各所に飽きない配慮が施されているおかげで、最後まで飽きずにしっかり興味を持って視聴を続けることができる、という強みは前作からしっかり受け継がれています。面白いけど、面白い。
 また、前作ではかなりの盛り上がりを見せたボス蜘蛛とのラストバトルでしたが、今作でもやはり超大型蜘蛛とのバトルをラストに持ってくる流れは健在。前作以上のサイズと強さを誇るクモの前には軍の戦闘機もお手上げ状態でしたが、そこはさすが男コルトン、単身蜘蛛に飛行機からの特攻ダイブを仕掛け、見事敵を爆発四散させるその姿には、やはりテンションが上がりました。
 とまあ、ここまではよい部分のみを羅列してきましたが……残念なことに今作、前作のようにほぼ手放しで褒めちぎることができるほどの映画では無い、というのが、私が最初に抱いた感想でした。
 いや、モンスターの魅せ方や飽きさせない工夫の仕方などについては、やっぱり良くできているんですよ? しかしその他においては、前作よりどうしても見劣りしてしまう部分が多々見受けられてしまうのです。
 まあ色々と文句はありますが、私が一番気になったのは、ギャグとシリアスのバランスです。前作の映画、ラバランチュラは、主人公コルトンとその息子、それぞれを主役として描いた2つのパートから物語が構成されており、主人公コルトンのパートはクモ狩りとギャグが強めの配分、息子のパートはクモに狩られる側、逃げる側としてシリアスめの配分となっていました。そして、そのギャグとシリアスのバランスが実に絶妙で、火を吹くでかいクモ、という1種類のモンスターしか登場しないのに、そいつらが狩る側と狩られる側という異なる顔を交互に見せてくれるため、その魅力を存分に堪能することができていたんです。私はそれこそが、ラバランチュラという映画の最大の強みだと思っていました。
 今作においても、蜘蛛を狩る目的を持ったコルトン視点のパートと、クモの襲撃を受けて友達と逃げる娘視点のパートという、2つの視点で物語が進んでいく構成を採用してはいますが、今作自体が全体的にかなりコメディ、パロディに重きを置いた構成になってしまっているため、はっきり言ってシリアス要素がかなり薄く、そのせいで捕食者としてのクモの魅力が、私には前作ほど伝わってきませんでした。
 そして、シリアス要素が薄くなってしまってしまっている一番の弊害としては、なんとも盛り上がる場面自体が少なくなってしまっていること、また大きな盛り上がりに欠けることが挙げられるかと思います。ギャグ多めなことがダメというより、そのせいでシリアスさが削られている=クモの持つ魅力を前作ほど存分に引き出せていない、ということがダメだと思いました。
 他にも、視点変更の頻度がちょっと多すぎるんじゃないかとか、コルトン編がなんか無駄な部分多いんじゃないかとか、会話の流れの中に無理にギャグとかパロディ突っ込んでこなくていいからとか、言いたいことは多少ありますが、全部言い出すと文字数やばくなりそうなのでこのくらいで……。
 総評ですが、B級モンスター映画としては普通に面白いし、充分良作だと思います。色々と不満ぶちまけた後で言っても説得力無いかもしれませんが、これはマジです。実際、見ているときは全く飽きませんでしたし、ところどころニヤリとできる要素もあり、非常に楽しめました。総合評価Bに嘘偽りは一切ありません。そのくらいの価値のある映画だと思っています。
 ただ、この映画はあくまで一本のB級モンスター映画として見たときにはその評価で間違いは無いんですが、これをあのラバランチュラの続編として評価したときには、個人的にはC+、どれだけおまけしてもB−くらいの出来だったと思うのです。そのくらい、前作は私にとって素晴らしい映画でした。
 この、コメディとシリアス比の問題や、会話やストーリー中に無理なパロディ入れすぎじゃね問題については、まあ究極言ってしまえば好みによるとしか言えないんですけど、少なくとも私としては、前作の路線で行って欲しかったと思うのです。まあ一言でまとめてしまうなら、この映画は「自分が期待してた展開と違った」ということです。アイアンマンスーツも着ないしな(半ギレ)
 もちろん、「こっちの展開のほうが面白い!」という方もいらっしゃると思いますので、結局のところは好みによりますよ、ということで締めさせてください。客観的な評価としてはBですし、実際その評価に値するほどのクオリティを持った作品には仕上がっていますので、とりあえずオススメできる映画です。前作を見た人は是非、前作をまだ見てない人は、前作を見た上で是非視聴してから見てください。
 そして私はもちろん、続編を期待しています!  次はアイアンマンスーツ着てね。
>

©Copyright2021 第B級映画レビュー小隊