「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

PLANET OF THE SHARKS 鮫の惑星 のレビューです(総合評価C+)

(画像:Amazon商品ページより引用)
レンタル版を吹き替えで視聴しました。まずはAmazon先生のあらすじ&予告編からどうぞ。
 
【予告編】
【あらすじ】

時は近未来。温暖化による氷河の融解の影響で、地表の98%が海に覆われていた。僅かな生存者たちは、海上に建てられた基地や船の上でなんとか生きながらえていた。もはや、地球の支配者は人類ではなかった。今、生態系の頂点に立っているのは獰猛な鮫であった。そして、さらなる水温の上昇で海中は食糧不足に陥り、空腹となった鮫は人間を狙い始めていた。さらに鮫たちは群れをなし統制のとれた行動をとるようになる。それは、大群を統率する鮫が存在しているとしか思えなかった…ⓒ 2016 SLIGHTLY DISTORTED PRODUCTIONS, LLC. All Rights Reserved.(あらすじ:Amazon商品ページより引用)

ストーリー……C
サメの質………C
キャラクター…C
設定……………D
総合……………C+
オススメ度……C


【良い点】
・話のテンポが良いので飽きない。
・程よく内容がぶっ飛んでいる
【悪い点】
・戦闘が単調に感じること有り。
 ストーリーはバカ丸出しながら、意外としっかりできているので楽しめました。また話の流れやテンポも程よく、飽きずに見続けること自体は容易にできたのですが、鮫との対決シーンが誤魔化し誤魔化しな描写が多く、ちょっとくどく感じる場面もちらほら、といった感じの映画でした。
【以下、ネタバレ注意!】
 鮫映画は設定がガバガバでないといけない法則でもあるのか(呆れ)
 さて今作ですが、地球温暖化により海面が上昇して陸地が全滅、人類は海上にコミュニティを作って生き延びているという設定の……なんかこれ見たことあるな?(ウォーターワールド)
 そんな中、地球の支配者は陸の王者である人から、海の王者であるサメへと移って行きます。それに対し、人類はある作戦を実行に移そうとしてしました。それは、なんかすげーロケットを宇宙に飛ばして二酸化炭素を激減させ、地球温暖化を阻止して海面を下げ、陸を取り戻す、というもの。果たして、この作戦はうまくいくのか?  というのが今作の大まかなあらすじです。
……なんか色々とおかしいけど、気にしてはいけない。
 では、早速今作の詳細な中身をば。まずは良い点からです。
 今作の良い点は、内容が程よくぶっ飛んでいることと、話のテンポがそこそこ良いことです。
 まず今作、内容の是非については置いておくとして、話のテンポ自体は結構良い方です。というか、地球が海しかない状態になってるところからいきなり話が始まり、突然ロケット打ち上げるとかいう話が持ち上がる、サメの親玉が他のサメ引き連れて集落襲いに来る、それ潰すために大気圏外からレーザー照射して火山噴火させる……などなど、次々に展開が押し寄せてくるため見ていて退屈しにくい、というのは嬉しいところ。
 「細かい設定なんて知るか!」と言わんばかりに、海と化した地球だとかサメがサメ操ってるとか、ロケット飛ばしてトンデモ科学兵器ぶち込んだりだとか、とにかくやりたいことをいろいろ詰め込みながら、それを早いテンポでどんどん出してきてくれるので、状況が固まらず良い感じでした。
 また、こんだけやりたいことぶっぱしながならも、ストーリー的に見て大きな破綻などが見られないことも評価点の1つです。いや、先に挙げたいくつかの例示を見ると、十分ぶっ飛んでるようにも見えるんですが、このぶっ飛び具合がちょうど良いと言いますか、全編にわたってお話が程よくぶっ飛んでいるので、ある意味バランスが取れているように感じられるんです。
 例えば、ある程度真面目な流れがあったにもかかわらず、いきなりロケット打ち上げてトンデモ科学レーザー照射で海底火山爆発させる、とか言いだしたら「おいおい」と言いたくなってしまうところ、この映画は最初から最後まで設定がガバガバで、展開がいちいちアホらしい方向へと向かっていくため、こういう突拍子も無い展開も普通に許せてしまうんです。
 ロケット打ち上げるための電力確保するためにサメに電極ぶっ刺すとかいうアホみたいな展開が許せる程度には、全体的なアホらしさのバランスは取れてたと思います。やっぱり全体通しての作品の雰囲気というか、方向性と展開が一致していることって結構大事だと思う次第です。
 というわけで、良い点は以上でした。では、続いては悪い点を。今作の悪い点は、戦闘面で単調さを感じることがあることです。
 今作は見ての通り、海の支配者であるサメ達と人間の闘争を描いた作品なのですが、このサメとの戦闘がちょっと曲者。まず基本的に、今作に出てくるサメ達は何の特殊能力も持たないただのサメが大半ですので、他のサメ映画に比べてやっぱり見劣りします。一応、他のサメを電磁波で操る能力を持つボスサメは登場しますが、ぶっちゃけ大半のサメ映画のサメは御都合主義よろしく統率をとって動いてるんで、今更他のサメを操れるくらいじゃ大したインパクトもないです。
 まあ、それだけなら別に良いんですけどね、真に問題なのは、サメとの戦闘時にサメがあんまり姿を見せてくれないことでした。特に中盤におけるサメ戦では、陸上(船上)の人間 VS 海中のサメ、という構図になるんですが、この際に人間側は虚空や画面外を攻撃するシーンが多く見受けられ、サメが直接的に姿を現してくれないのです。こういうシーンがいくつかある&なぜか無駄に長かったりするので、ちょっとグダッてしまったのは悪印象。ラスト付近ではボスサメとの死闘?もありでなんだかんだ楽しめましたが、そのほかでの戦闘面での見栄えはあまり良くなかったかと思います。
 総評ですが、近年いろいろなサメ映画が台頭している中、サメのインパクト不足に悩まされた映画だったと思います。予算の都合もあるでしょうが、サメとの戦闘を画面切り替えで誤魔化されては少し興醒めなところはありました。
 反面、それを補うためにかストーリー面でのインパクトやテンポなどには結構気が遣われており、展開も程よくぶっ飛んでいながらにして、それが物語全体から浮いてこないできちんと調和を保てていたのは良かったと思います。サメに電極ぶっ刺してロケット飛ばすくだりとか、レーザー照射で火山噴火させてサメ壊滅させるくだりとかで、「はぁ?」とならなかったのはなかなかの手腕の表れかと……。サメ好きの方はどうぞ!
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