「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

ザ・コレクター のレビューです(総合評価D)

(画像:Amazon商品ページより引用)
レンタル版を吹き替えで視聴しました。
まずはAmazon先生のあらすじ&予告編からどうぞ。
【予告編】
 
【あらすじ】
人間を襲い、コレクションして捕食する未確認生物の恐怖を描いたSFスリラー。ローマンとダーシャのカップルら乗客を乗せた電車が、トンネル内で突如姿を消す。ふたりの友人とレスキュー鉱員はトンネルの調査を開始するが、そこには怪人が潜んでいた。(あらすじ:Amazon商品ページより引用)

ストーリー……D
怪物の質………D
キャラクター…D
設定……………D
総合……………D
オススメ度……D

【良い点】
・ストーリーの中身自体は悪くない
 
【悪い点】

・ストーリー構成が絶望的に悪い
・圧倒的説明不足
ストーリーの中身だけ見ればそこまで悪くないのですが、無駄に展開をブツブツブツブツぶった切ってくるせいでテンポがかなり悪く、おまけにとにかく説明不足で不明点が多すぎる、と、はっきり言って駄作の域を出ない映画だったと思います。


【以下、ネタバレ注意!】

 さて今作ですが、地下鉄乗ってたら突然電車が止まったので、乗り合わせた乗客一同で地下をえっちらおっちら進んでると、なんか怪物出てきててんやわんやになるお話です。なんで地下に怪物いるのかについては……まあ、ロマンがあるしね?
 しかしまあ今作については、はっきり言って不満点の方がだいぶデカかったので、いきなり悪い点から見ていくこととなります。では早速。
 今作の悪い点は、ストーリー構成の残念さと圧倒的説明不足です。
 まずストーリー構成について。とりあえず内容の是非については一旦置いておくとして、ここで問題にしたいのはその構成と編集についてです。この映画では、ダブル主人公……というか、2つの視点から物語が進んでいくというような、まあよくある構成を採用しているのですが、今作はこれによるメリットよりもデメリットの方が明らかに大きいという、かなり深い問題を抱えてしまっています。
これによる問題点は色々ありますが、一番大きかったのはお互いの視点ともに話が全然進まないことでしょうか。今作は化け物蔓延る地下鉄道から脱出を図る組と、それを探しに行く友人組という2つの視点から話が展開されていくのですが、どっちもどっちも話がこれっぽっちも進みやがらねーんですよ。というより、まともなイベントごとらしいイベントが全然起きないせいで退屈なんですよ!
 それだけならまだしも、無駄に二視点構成になっているせいで話はブツブツブツブツ途切れてテンポは悪くなるわ、切るタイミングが無駄に多い&おかしいせいでイライラしてくるわで、正直言って見ていて苦痛です。とくに前半はね、化け物も出なければ話も進まないしで……。だから無意味な視点切替交互展開方式はテンポ悪くなって話わかりにくくなるだけだからやめろって言ってんじゃねーかよ!(半ギレ)
話自体はシンプルな反面、無駄に展開をブツ切りにしているせいで見所さんごと分裂してしまっており、また話も無駄に複雑になってしまっていて本当に無駄に状況把握がしにくくなっているだけ、と良いところなしな構成だったと思います(辛辣)。やりたいこと自体は分かりやすいのですが、話の魅せ方が下手すぎると思った。
 またこの映画、説明不足が酷いのも首をかしげさせられた一因。怪物の発生原因不明、目的不明、行動原理不明、なんで地下鉄に住み着いているのかも不明、突然地下鉄襲った理由も不明……と、それはもうなかなかな投げっぱなし力。
 まあモンスター映画によくある説明不足と言ってしまえばそれまでなのですが、主人公たちを襲っていた怪物の正体が実はヒロインだったということを披露し、衝撃を与えさせて終わるタイプの映画でありながら、その肝心の怪物に関する設定はかなりフワッフワというのは頂けませんでした。『怪物の正体』が一番の肝であり見所であるくせに、その怪物に関する設定がガバガバなのは見過ごせないんだよなぁ……。
 という具合に、はっきり言って全体通してかなり不満が残る映画だったのですが、それでもストーリー内容だけを見れば、やりたかったこと自体は比較的シンプルで分かりやすく、話自体に見所はなくはなかった、というのは唯一の救いでしょうか。二視点展開されるせいで話がブツブツ切れてかなーり分かりにくかったですが、要するに今作は
①怪物の襲撃を受けてヒロインたちが地下を彷徨う
②怪物に襲われてヒロイン以外死亡
③怪物が吐いた謎のガスに感染?し、ヒロインは身心ともに怪物に

④後日、行方不明になったヒロインを探しに友人たちが地下へ
⑤怪物と化したヒロインの襲撃を受けてほぼ全滅
⑥ラスト、主人公が自分たちを襲う怪物の正体がヒロインである事に気が付き、悲しいなぁ……
ってな感じなんですね。こう書くと、まあありがちながらもシンプルではあるんですけどね、今作はこの①〜③までと④〜⑥までの話の時系列をあえてぐっちゃぐちゃにし、あたかも話が同時に展開しているかのように見せかける、というクッソ難しい手法に挑んだ結果、見事爆発四散したかのような出来でした。時系列錯覚させるにしても、せめて序盤くらいはちゃんとどっちか一本に絞って展開するとかしてくれないと、なんか2本分の導入をブツ切りで代わる代わる見せつけられて話は全然導入から抜け出せない……みたいなことになってて、何度も言いますが非常にテンポが悪かったです。てか序盤で飽きました。
 総評ですが、ストーリーの中身だけを見ればそれほど酷くもないのですが、構成やら演出やら設定の固め方やら、あらゆる面においてユルユルな映画なので、はっきり言って見ていて退屈でした。ラストシーンである、怪物の正体がヒロインだったと分かる部分だけは、それまでに置いてきた伏線が機能していてなかなか悪くなかったですが、それ以外の部分のマイナスがかなりデカかったですね……。
 個人的にはあまりお勧めできない映画です。
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