「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

新プレデター 最強ハンター襲来 のレビューです(総合評価C)

(画像:Amazon商品ページより引用)
レンタル版を吹き替えで視聴しました。まずはAmazon先生のあらすじ&予告編からどうぞ。
【予告編】
【あらすじ】
“人類は再び“ヤツ””の獲物となる―! !

人気沸騰中のTV番組でホストを務めるダグ。
無人島で5日間、たった一人で飲み物も食べ物もなくサバイバルするという企画を敢行する。
しかし、自分しかいないはずの地で、不可解なことが起こり始める。
何か巨大なものにえぐられたような山肌、水面に広がる無数の魚の死体、突如現れた巨大なワナ…!
“何か””が間近まで迫って来ている! !
と、その時、耳鳴りがしたか思うと全身に強い衝撃を受けて隣の島まで吹っ飛ばされてしまうダグ。
そして目の前に現れたのは、見たこともない謎の生命体だった―! !(あらすじ:Amazon商品ページより引用)

 
ストーリー………C
キャラクター……C
モンスターの質…C
設定………………C
総合評価…………C
おすすめ度………C
【良い点】
・前半のサバイバル描写が面白い
 
【悪い点】
・肝心のプレデター出てきてからが面白くない
前半、なんかサバイバル番組の収録のために、主人公がサバイバル知識披露しながら無人島で生活する部分の描写は結構出来が良く、モンスターとか関係なしに楽しんで見られたのが高評価でした。というか、プレデター出てきてからのほうが面白くないです。ずっと前半のサバイバル路線で良かったのに、と思わされることが最大の問題点だったと思った。
 
【以下、ネタバレ注意!】
 普通にサバイバル番組作ればよかったんじゃないですかね(辛辣)
 さて今作ですが、無人島でサバイバル番組撮ってたら、チェスが上手いプレデターが突然襲撃してくる、という内容の映画です。いや、自称プレデターか。

レビューの前に言ってしまうと、ハッキリ言って内容的には可もなく不可もなく、な部分がかなり強いです。しかし、見どころがなかったのかと言われるとそんなことはなく、この映画特有の強みがなかったわけでもないのですが、その強みの部分こそが今作最大の問題児、とも言えるような出来栄えで……。

 では早速、詳細な内容を見て行きましょう。まずは良い点からです。
 今作の良い点は、導入〜中盤までにかけてのサバイバル描写が面白い、ということです。
 先に述べた通り、この映画は前半、サバイバル番組の撮影ということでその手の映像を数多く見せられるのですが、この部分のクオリティについては高いと認めざるを得ません。
 例えば、その辺の木とか草集めてお家作ったり、空き缶使って火を起こしたり、そこらにあるものでウサギを仕留めるための罠仕掛けたり、仕留めたウサギの解体をしたり……などなど、前半部分は純粋にサバイバル番組として見所があります。また、時間の都合もあってか、番組という体裁を意識しているからか、この部分の描写はなかなかテンポよく展開されるというのもポイントが高いところ。
 この前半の展開については、単なる前座と侮るなかれ、そこらのサバイバルバラエティやサバイバル動画のクオリティにもまるで負けないレベルの完成度があったと思います。特にウサギ用の罠仕掛けるシーンとか、その解体シーンとかは見所も満載でよくできていました。少ない道具と限られた環境の中で、創意工夫して5日間を乗り切ろうという意気込みも見えて、映画のジャンルも忘れて非常に楽しませていただきました。総じて、サバイバル番組としての完成度は高いです。
 また、この映画は中盤以降、プレデターが出てくるまでの伏線をいろいろと張ってきます。例えば、自分が仕留めたウサギの肉が突然消えていたり、川に大量の魚が打ち上げられていたり、チェスの駒が動かされていたり……などなど。そして挙げ句の果てには、自分が手がけた空き缶着火装置やウサギ用の罠などが何者かに模倣され、そこらに置いてあったりするんです。
 姿が見えなくても、この島には何かがいる。しかもそいつは、自分のことを見ていてその行動を学び、模倣している。このなんとも言えない気味の悪い感じと、相手の正体が掴めない不気味さ。この辺りまでで、プレデターはその姿を全く現すことなく実に1時間が経過するのですが、個人的には非常に楽しめました。モンスターの姿を映すことなくここまで楽しませてくれるなんて、これは間違いなく良作だ、と思ったのを覚えています。なお
 それでは、以下には悪い点を。今作の悪い点は、プレデターが出てきてからの展開がまるで面白くないことです。
 今作、1時間が経過するところまでは見所もありつつテンポも割とよく、しかも姿の見えない不気味な存在がもたらすほのかな緊張感もありで、結構楽しんで見ていられるんです。ですが、プレデターが本格的にその姿を現して以降は、正直言ってそこらに転がってそうなチープなモンスター映画の域を出ておらず、なんともパッとしない印象。
 プレデターが姿を現わすも、ほとんど見せ場もないまま丸腰の主人公に難なく撃退されるため見所はなく、造形もさして魅力的なわけでもなく、しかも最期もかなりあっさりと殺害されるため性能的にも超微妙、そのくせ設定だけは、地球を侵略しに来た宇宙人とかなり壮大なので名前負け感が半端ない……と、いいところがまるでないんです。それも、前半が前半で結構面白いだけに、取って付けたような設定が目立つ後半は余計にガバく見えてしまう、というおまけ付き。なんで地球侵略に来た宇宙人の1匹が、無人島なんて僻地にいるんですかね……。
総評ですが、前半は見応えのあるサバイバル番組後半は見所のない残念モンスター映画、という感じの構成でした。何より、自称プレデターを主体にした映画でありながら、プレデターが出てくる前のサバイバル講座の方が断然面白いというのがとにかく痛いです。いっそモンスターとかいらないんで、そのままサバイバル番組普通に続けてください、と言いたくなるような映画でした。
後半以外の出来はいいので、気になられた方は是非どうぞ。
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