(どこかで見たことあるようなフォントだなぁ……)
【あらすじ】
“核実験の罪が生み出した悪魔―太陽が照りつけるカリフォルニア州、サンディエゴのビーチはいつもの賑わいを見せていた。
そこに突如浮かび上がった焼死体。さらには焼かれた魚の死骸が波打ち際に打ち上げられていた。
ライフセーバーのジーナとカプランはその謎を追っていくが、核実験の影響により進化したサメだと判明。
体内に核エネルギーを持つサメは熱焔を放ち、ボートの釣り人、海水浴を楽しむ若者に次々と襲い掛かり犠牲者は増えていく。
しかし人類が自らの手によって生み出した悪魔の逆襲は始まったばかりだった・・・(あらすじ:Amazon商品ページより引用)”
サメの質………C
キャラ…………C
設定……………D
おすすめ度……C
【以下、ネタバレ注意!】
さて今作ですが、トラの威を借るキツネなサメ映画です。もはや解説不要かとは思いますが、一応言っておきますとシン・ゴジラ要素は(ほぼ)ありません。吹き替えだと、一応セリフの中に「まずは君が落ち着け」のようなパロセリフがいくつかあるくらいです。別に変身を2回残してたりだとか、対空性能全振りレーザー発射したりだとか、内閣総辞職(物理)したりだとかはしません。
こんな話してたらシン・ゴジラもう1回見たくなってきちゃったよ、やばいやばい……
今作の良い点は、割とテンポが良いので飽きずに見られるということと、色々とぶっ飛んでいるため、なんだかんだ楽しめるということです。
今作は、まあ見ての通り結構アレな映画でして、核汚染された燃えるサメが放射能振りまきながら海を泳ぎ回り、そこらの海域にいる魚を焼け爛れさせたり、人間とか船を襲って炎上させたり、ドローンにガイガーカウンター付けてサメ探したり、なんかサメがメルトダウンして核爆発起こしたり、その核爆発を至近距離で目撃しても主人公たちは何ともなかったりする、本当にアレな映画なんですが、この何も考えてないクッソ安易なやりたい放題してる感じが逆に刺さって楽しめるんですよこの映画。
前半こそ比較的マトモにサメ映画してるんですが、なんか飲食店で放射能汚染された魚を食べた人間が突然死しだす中盤あたりからはもう本当にやりたい放題で、上述したようなかなりガバガバな解釈の放射能()を軸にしたサメとのバトルが始まります。
撒き餌を巻いてサメを遠洋におびき寄せ、爆弾積んだ船ごとサメを爆発させようとするも失敗し、ヒロインが自爆特攻しようとするも失敗し、触れただけで死ぬレベルの放射能振りまいてるサメの口にスクリュー押し付けてガリガリ削った後、近くにあった島にサメを乗り上げさせてオーバーヒートで核爆発起こさせてそのままエンドなどという、マトモな脳みそを持っていれば即却下したくなるレベルの展開を大真面目に映像化してしまった今作。
しかし、このぶっ飛んでいる展開+あまりにも突っ込みどころが多すぎるガバガバな展開のおかげで、見る側も脳みそ空っぽにして楽しみながら見られるというのが今作最大の強みであり、これこそが今作を非凡なサメ映画へと昇格してくれている一番の要素であったことは認めざるを得ません。
まあ、この映画では、放射能汚染された食材を食べた人間は突然爆発四散するくらい放射能の解釈がガバガバなんですが、放射能の解釈がガバガバなのはアメリカの映画じゃ珍しいことじゃないからセーフ。 とにかく、難しいことを考えずに、サメやら人間やらが爆発してメデタシメデタシ、な展開を脳みそ殺して楽しめるのは良かった(脳死)。
……とまあ、ここまではその非凡なガバガバさを褒めてきましたが、言ってもガバはガバ、 やはりマイナスになる要素もあります。設定がガバガバすぎて「えぇ……」となってしまう部分があるのはもちろん、やりたいことを優先しすぎたせいか展開が強引な部分が中盤以降は特に多く、見ていてちょっと一歩引いてしまう部分がある、というのが少しネックでした。
まあ、この辺差し置いても、「ガバゆえに面白い」という要素の方が勝っていたので、個人的には良かったと思うんですけどね。後半はもうちょっとスマートに纏められなかったのかなぁ、と思ってしまいます。
総評ですが、正直言って面白いです。ビックリするほどのガバ展開が続き、あまりにも放射能に対する解釈がガバッガバすぎますし、とりあえず何も考えずにやりたいこと全部ぶち込んどいた、というような調整でしたが、それを差し引いても面白い。とにかく、何も考えずに笑いながら見られる、というのが想像以上に強かったです。たぶん、酒とか飲みながら見たら面白い映画です。
というわけで、個人的にはそこそこおススメできるので、興味を持たれた方は是非どうぞ!
なお、「その割に総合評価C+じゃねーか」 という突っ込みにはお答えできません。後半が、ちょっとね……。