みなさまお疲れ様です。管理人のさがんです。本日はですね、情報解禁された時からずっとずっとずっと楽しみにして来た新作邦画、「大怪獣のあとしまつ」がついに先日公開されたので、初日にウッキウキで見に行ったところ、あまりのゴミっぷりに見事撃沈。帰りの車内で一緒に見に行った友達と死ぬほど愚痴りつつも、家についてもまだお互い愚痴を言い足りず、そのままマキオンランクマにイフ改イフ改で殴り込みをかけて憂さ晴らしするという、近年でも最高に荒んだ映画体験をさせられた恨みつらみを今ここで全て吐き出してスッキリしよう、的なやつです。
高い金払ってゴミ見せつけられた気持ち分の愚痴は吐かせてもらう。
↓【参考】映画発表当時、期待感MAXのウッキウキな様子を綴ったページ。あの頃に戻りたい。
さて最初に断っておくと、今作、怪獣の造形やCGの出来栄えをはじめとした、いわゆる映像的なクオリティの部分は結構、いやかなり頑張っています。あと、主演の山田涼介とオダギリ・ジョーがカッコよかった。良い点を挙げるとすればそこくらいですかね。以下、全部愚痴です。今作のことが好きな人はここでブラウザバック推奨。
というわけで、今作の悪い点といえばほぼ全ては、専門知識皆無の一般男子中学生が3日で考えたんじゃないかと疑わずにはいられないほど稚拙さ極まるクソゴミ脚本に集約されます。なんでこんな面白そうな題材をベースにしたくせにこんなゴミみたいな脚本が出来上がるのかマジで理解に苦しむ。
なお、これについてはTwitterで
的な意見をちょいちょい見かけたんですけど、これに対しては断固として違うと言いたい。
初日にこれを見に行った勢が軒並みキレ散らかしているのは、
シンゴジラが見たかったのにコメディを出された
からではなくて、
シンゴジラを見たかったのにゴミを出された
からだということを。
コメディに振り切った内容で、かつ普通に面白ければ、「期待してた内容とは違ったけど、これはこれで全然面白かったよね」と言えたのに、そんな意見はほとんど目にしない理由をちゃんと考えてくれ。脚本がコメディとかギャグに寄っているから、シリアス成分が物足りなかったよね、とかそんな生易しい次元の話じゃないんですよ。
じゃあ何がそれほどクソだったのかと言うとですね、とにかく終始ノリがクソ寒いことと、展開の安易さ、稚拙さが半端ないこと、個人的にはこの二つです。これ以外にも死ぬほど文句はあるけど、大きかったのはこの二つ。
まずノリの寒さについて。今作、怪獣の死体が横たわる現場で、主人公たち特殊部隊員が奔走する場面と、総理が各省大臣を集めて対策会議を行う場面が、だいたい交互に展開されながら話が進んでいきます。この会議シーンは、現場シーンと同じくらいの比率、場合によっては会議シーン過多なくらいのバランスになっているのですが、この会議シーンがまぁ死ぬほど面白くない。
具体的にいうと、脳みそ空っぽの言い争いと足の引っ張りしかしない、知能指数が幼稚園児みたいな奴らしか議場にいないのです。しかも、こいつら全員に変に個性的なキャラ付けをしようとしているせいでどいつもこいつも言動が不自然で気持ちが悪い。かつ、ギャグのレベルが低すぎて不快さばかりが目立つため、本当に質が低いと感じます。
しかも、クソつまらない下ネタを何回も何回も繰り返し起用したりだとか、怪獣の匂いがウンコとゲロどっちが近いかみたいな、小学生が好きそうな話を長い長い長い時間引っ張り続けたりだとか、とにかく全体的にやることなすこと全てが滑り倒していて本当に酷かった。
さらに腹立つのが、これで「この映画は真面目な部分などほぼなく、とにかくふざけた雰囲気に振り切ったコメディえいがで〜す」って感じならそれはそれで許せたと思うんですけど、今作はとにかくシリアスもコメディもクッッッソ中途半端なんですよ。間違っても、シリアスの中にちょいちょい上手にコメディを散りばめる、なんて高度な領域には微塵も達しておらず、両者共に大変メリハリがない。どっちかに振り切っているわけでもなく、かといって両者を上手く共存させられているわけでもなく、終始緩いような緩くないような、真面目にやりたいのかふざけたいのかよく分かんないような、ダラダラダラダラとしたただただかったるい無意味な展開を見せつけられる、それが大変ストレスでした。
もちろんコメディ描写は合う合わないあると思いますけれど、少なくとも私は、今作のコメディ描写は怪獣の死体を前にする世界観とは微塵もマッチしておらず、ただただ不要な不純物としか思えませんでした。
言うなれば、超絶出来の悪いTRICK。マジで、あまりにもノリが寒すぎて、1時間55分クスリとも笑えなかった。終始真顔だったよ、真顔。
そして、これと肩を並べるレベルで酷いのが、脚本の稚拙さ。ギャグに関しては、「まぁ合う合わないあるしね」という言葉で無理やり逃げ切ったとしても、この脚本の稚拙さについては完全に擁護不可です。伝家の宝刀、「だってコメディだから」を盾に逃げようにも、それすら許されないレベルのクオリティ。
何が酷いって、もうもれなく全部酷いんですよ、現場パートも会議パートも全部。
まず作品全体通して共通してひでぇのが、登場人物がどいつもこいつもその場の思いつきで行動してるとしか思えない知能レベルの低さなため、魅力的に映るキャラが1人もいないこと。現場は現場でやってることがバカだし、政府は政府で寒いノリの会議することが仕事だと思ってるし。専門家や、国家の頭脳たる大の大人が何人、何十人も集まって捻り出す結論が、5秒で考えたみたいなカス同然の作戦の連発なので、全編通して全く話が盛り上がりません。
また、この危機に対してみんなで協力しよう、組織の垣根を越えて頑張ろう、というような姿勢が微塵も感じられず、基本的にどいつもこいつも怪獣そっちのけで低レベルな足の引っ張り合いしかしないため、これも見ていて盛り上がらない要因です。この足の引っ張り合いというのも、例えば高度な政治的駆け引きだとか、はたまた”ちゃんと面白い”ギャグ調のものだとか言うような、そういう見応えのあるものであれば全然OKってもんですが、これがマジで微塵も面白くない低レベルな子供の喧嘩くらいの出来なのよ。もちろん、「最初は各所いがみ合っていたけど、最終的には団結して立ち上がり〜〜」的なお約束展開もないので、こんなクソみたいなくだりを、最初から最後までたっっっぷりと、それはもう胸焼けするまで存分に見せつけられることになります。
そんなこんなで、世界観構築はペラッペラで一切の深みがなく、シリアスっぽい演出をしているパートはあまりにも稚拙すぎてハラハラドキドキとは全くの無縁で、コメディとして楽しもうにも寒いノリとクソつまらんギャグの連発に真顔になってクスリともできず、かと言ってこれという見所があるわけでもないという、一言でいえばマジで退屈な1時間55分でした。映画館で、何の感情の起伏も起きず「とっとと終わんねぇかなこのクソ映画」というだけの感情で映像を眺めていただけの体験は久しぶりだった。
一つだけ擁護しておくならば、ネット上で今作のことを「令和のデビルマン」だの「史上最低の駄作」だの言う人がいますが、流石にそこまで酷くはねぇよ、ってこと。「こんな駄作これまで見たことねぇ!」ってレベルのものを想像すると肩透かしを喰らうかもなので、今から見に行くと言う方はあまり逆の意味で期待しすぎないように。ま、今作がゴミであることに変わりはないんですけどね。とにかく今は、このゴミに1400円払ったという事実をとっとと忘れたい。旧作レンタル100円になった後で、二時間ドブに捨てたくて仕方がないときに見ればいいんじゃない、程度の駄作映画です。
さて、2月に公開される邦画で私が興味があるのは、
- 今作
- 嘘喰い
- 牛首村
の3作品。
先週までは、「あとしまつがダントツトップで、嘘喰いと牛首村で最下位争いをするんだろうな」という予想があったのですが、この調子だと嘘喰いと牛首村で最上位争いをすることになりそうです。よかったよかった(よくない)