「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

SAWシリーズの感想をまとめて語る枠(1~レガシーまで)

 お疲れ様です、管理人のさがんです。

 今回はですね、現在絶賛公開中の「スパイラル:ソウ オールリセット」にあやかって、久々にSAWシリーズを全部見返したくなったので、せっかくだからそれの感想まとめ記事でも作ろう、的なやつです。

 というわけで、今回ガチで久々に初代からレガシーまで8作品見て、各作品に対する私の感想をずらりと並べましたので、よろしければお付き合いください。

 なお、このご時世&子育て忙しくて映画館には行けていないため、最新作であるスパイラルはまだ見れていません。配信されたら見ます……。

 というわけで、早速順番に──の前に、一言。

 この作品ですが、全部で8作もある&作品ごとに結構特徴が異なるので、人によってかなり評価が分かれる作品でもあります。そのため、ランキングを付けさせると大体みんな1位を除いて結果がバラバラになるはず。なので、まずは最初に、私の個人的SAWシリーズランキングを置いておきますね。

 殿堂入り:SAW(王者の風格)

 以下、順に

  1. SAW2
  2. SAW5
  3. SAW6
  4. SAW3
  5. SAW4
  6. ジグソウ:ソウ・レガシー
  7. SAW THE FINAL

 です。

 と言いつつ、5、6、3の並びはめちゃくちゃ微妙なライン。以下、レガシーは微妙、4はつまらん、ファイナルは論外、という具合。

 それでは以下からは、各作品の感想に移ります。一部ネタバレも含むので、まだ見てない、という方はご注意ください!

1作目:SAW

(画像:Amazon商品ページより引用)
ストーリー 5
ゲームの出来 4
総合評価 5

 ソリッドシチュエーションスリラーの最高傑作の一つとして語り継がれる作品で、まさしく、シリーズの原点にして頂点と言うべき作品。

 ゲーム内容の派手さや、絵面的な盛り上がりこそ控えめなものの、ストーリーの良質さが圧倒的

 過去回想や警察視点などの外部の情報も入ってくるものの、基本的には小部屋に閉じ込められた2人の男のやりとりで話が進んでいくのですが、構成が素晴らしすぎて全く飽きません。

 次々と押し寄せる謎や錯綜する情報に混乱させられながらも、しかし最後にはそれが綺麗に紐解けていく。ラストシーンを見た時の初見時の衝撃、興奮はいまだに忘れられません。あまりに衝撃的すぎ&出来が良すぎたために有名になりすぎた結果、「SAWは見た事ないけどオチは知ってる」と言う人が大量にいるとかいないとか

 グロさよりもサスペンス要素に重きを置いた作品であるため、グロい描写が苦手な方でも比較的見やすく、余計なことに気を取られずにストーリーを楽しめるので、文句なしに最もおすすめ出来る作品

 逆に、「とにかくグロいのが見たいんじゃ!」と言う方は、これ以降の続編をチェックですぞ!

2作目:SAW

(画像:Amazon商品ページより引用)
ストーリー 4
ゲームの出来 4
総合評価 4

 「SAWってあのグロいやつでしょ?」というイメージが付く要因になったであろう作品。前作最大の売りであったサスペンス要素はある程度引き継ぎつつも、デスゲームの面白さ、絵面的な面白さを重視している作品。

 3以降に比べるとゲーム自体はシンプルなものが多く、人によっては物足りなさを感じるかも知れませんが、それでも痛々しい描写は多め。個人的には、注射針の山に放り込まれるやつと、箱に手を突っ込んだら返しになってて抜けなくなるやつが滅茶苦茶印象に残ってました。ああいう、地味だけど確実に痛いやつが苦手なので、初見時は軽くトラウマに。

 特に、前作との比較において賛否あると思いますが、個人的にはシリーズ中でもかなり上位に食い込む作品。

 1が最高傑作なのは間違いないと思いますが、この2で「デスゲーム部分に力を入れる」という方向性を示していなければ、SAWというシリーズはこんなに続かなかったと思うので、そういう意味ではものすごく重要度の高い作品だと思います。

3作目:SAW

(画像:Amazon商品ページより引用)
ストーリー 1
ゲームの出来 5
総合評価 3

 「SAWってあのグロいやつでしょ?」のイメージを決定付ける事になった作品。2までのゲームが生温く感じるほど、全体的にゲームがエグいのが特徴です。2までは平気だった人でも、3はキツかった、という人多いのでは? 個人的には、人体ねじ切りマシーン脳手術のシーンが完全にトラウマ。かつ、腐った豚のミンチで溺死させるマシーンなど個性的なゲームもあって、シリーズ中でもかなり印象に残る作品になっていると思います。

 デスゲーム部分は、2の「たくさん人集めて誰が生き残るか競わせる」方式から「主人公が一連のゲームを通して謎に迫っていく」方式に変更されていて、ここは好みが分かれる部分でしょうか。

 なお、個人的にアマンダが死ぬほど嫌いなので、ストーリー面ではトップクラスに嫌いな作品でもあります。ラストのどんでん返しっぽいシーンが全部「アマンダやっっっっっと死にやがったざまぁぁぁぁぁぁ!!!!」と「いや娘可哀想すぎるやろ」に取られて、衝撃感がものすごく薄かった。典型的な「ゲームは面白いけど話は面白くない」作品。人によってはワーストかも。

 というか、1の時も思いましたが、ジグソウくん「死を目前にすれば人は変われる」とか「私は生きるチャンスを与えているから人殺しではない」とか言いながら、被験者の家族を巻き込みたがるのはマジでカスだと思う。というか、「死にかけることで生に感謝するから、更生出来る」という信条のもとにゲームやるんなら、別に実際に殺す必要なくない……? そんなんだからサイコ野郎認定されるんやぞクソジジイ。

4作目:SAW

(画像:Amazon商品ページより引用)
ストーリー 2
ゲームの出来 2
総合評価 2

 ジグソウ死んだ後の話第1弾。「SAWシリーズはどこから蛇足だと思いますか?」という質問をされたら、個人的にはここからと答えたい作品。

 ぶっちゃけストーリーが結構強引&時系列いじりすぎてものすごい分かりにくい。かつ、「黒幕はホフマン刑事でしたー!」って言われた時の感想が、「そ、そうだったのかー!(衝撃)」よりも「なんでやねん(疑問)」が強く、オチがイマイチに感じます。

 肝心のゲーム部分も、これと言って特質すべきような残虐で印象に残るゲームがなかったので、その面からもなんとも微妙な作品。強いて挙げるとすれば、髪の毛巻き取り頭皮剥がしマシーンが1番良かった。ああいう、派手さはなくてもジリジリと痛いやつが苦手なので、ゲーム部分はそこくらいでしょうか。逆に、最後の氷の振り子で頭粉砕器のシーンは、スピード感と絵面で笑えてしまう。

 ホフマンはソウの中で1番好きなキャラクターではありますが、初登場であるこの時点では彼の魅力が全く伝わっていないので、何もかもが弱すぎる作品。個人的には駄作。

5作目:SAW

(画像:Amazon商品ページより引用)
ストーリー 4
ゲームの出来 1
総合評価 3

 「これまでの事件の裏側見せちゃいますスペシャル」な解説回。ジグソウにハメられて死にかけたストラム捜査官が、ジグソウとホフマンの関係に迫る、という回。

 ストラム捜査官による捜査パートはこれまでのシリーズの解説的立ち位置なので、これはこれで見ていて結構面白いのですが、「これだけだと流石に地味だよな……」的なノリでおまけでくっついて来たデスゲームの出来が非常に微妙すぎる。途中で「これ協力ゲームちゃうの?」なオチが容易に読める上、ゲーム内容自体も地味。しかも、捜査パートとゲームパートが交互に展開されるせいで、捜査パートのテンポが邪魔されており、なんならゲームパートない方が面白いまである

 かつ、捜査パートとゲームパートがラストシーンで繋がって来て、「なるほど、だから同時進行で展開してたのか!」的な驚きもないので、マジでどっちかに絞った方が良かったと思う。ただまあ、「じゃあ今回はゲームパートなしで〜す」ってしたら、それはそれで不満噴出だと思うけど……。

 良かった部分を挙げるなら、理不尽に巻き込まれた3の主人公の娘がちゃんと助かったことが分かるってことと、オチのストラム捜査官ペシャンコトラップは好きだったこと。

 捜査パートが好きなので、4よりは圧倒的に面白い。ゲーム部分は先述の通り残念ですが、「みんながこれまでの自分の行動を省みて臨めば、助かる道がちゃんと用意されていた」という点ではジグソウ的ではある。

6作目:SAW

(画像:Amazon商品ページより引用)
ストーリー 3
ゲームの出来 3
総合評価 3

 「デブのメリットは、他の人よりも差し出せる肉の量が多いこと」という、全デブに前向きに生きる希望を与えてくれたシリーズ6作目。まあ、デブ死ぬんやが。

 流石にこの辺までくると、「一体このシリーズいつまで続くねんいい加減終わろうや」と思い始めるが、まだまだ終わらない。

 「人間は、死に直面したら更生できる」というジグソウ理論に真っ向から喧嘩を売りつけるスタイルの作品。自分の意思に関係なく他人に生死を委ねられるという部分は3と同じだが、そもそもどうやったって半数以上が絶対に助からないという「お前それアマンダがやってたことと同じじゃん私は殺人鬼ではないだのなんだの人に偉そうに説教ばっか垂れてるくせに今回のゲームはどう説明すんだ老害クソジジイ」色が強すぎて嫌い。このゲームを仕切っているのは殺人大好きマンことホフマンだが、アイデアはジョンが出しているっぽいのでものすごい違和感。全員に生きるチャンスちゃんと与えて、どうぞ。

 ゲーム内容自体は、回転悪口罵倒大会が素晴らしかったが、これも前述の「でもどうやったって半分以上死ぬだろ更生もクソもあったもんじゃねーな」感が凄いので、素直には褒められないところ。犯罪者には生きるチャンス与えるけど、保険社員には生きる価値なしって、お前の判断基準ガバガバじゃねーか。

 オチの衝撃具合は個人的にはなかなか良く、終わり方は結構好きな部類。

 後、ホフマンの「偉そうで有能ぶってるけど肝心なところでドジる」「同僚の捜査官に詰め寄られてアタフタして考えなしにとりあえず殺っちゃう」「思想的にも物凄いクズだが、生への執着心は凄くとっさに判断して行動できる」という小物臭が凄いキャラが3周くらい回って滅茶苦茶好きなので、ホフマンを応援したいがために次回作も見る気にさせられた。ホフマンの小物っぽいキャラ掘りはしっかり出来ているという点で、その点は大変に評価出来る。

7作目:SAW THE FINAL

(画像:Amazon商品ページより引用)
ストーリー 2
ゲームの出来 2
総合評価 1

 シリーズ初の3D作品。「シリーズもので3Dに手を出したナンバーは駄作の法則」(勝手に命名)があるが、しっかりそれに則ってくれたシリーズ最終話にして1、2を争う駄作。

 オープニングゲームがかつてないほどにオープンで陳腐すぎるので開幕不安が高まります。

 ゲーム内容自体は「見ざる言わざる聞かざる」をテーマに仕上げてありそこまで悪くはないのですが、いかんせんちょっと地味。自分で歯を抜くやつとかは想像すると悪寒が走るし、自分じゃ絶対やりたくないけど、 7作目ともなると流石に残虐なゲームは見慣れてくるので、もっとパンチが欲しかったところ。

 ではストーリーの方はどうかというと、流石にいくらなんでも警察が無能すぎる&ホフマン刑事が単なるジル絶対殺すマンと化しており、大変に盛り上がらないです。ジルはジルで、初登場時からキーパーソンっぽい風格を漂わせていた割にはモブキャラ程度の見せ場しかなく、基本ずっと「警察さん助けて〜」してるだけなのでまるで面白みがない

 また、今回ゲームをさせられるのは「ジグソウのゲームから生還したと騙って金儲けしてたおっさん」が対象なのですが、「これわざわざファイナルでするほどの話か?」感が強くて、これまた全く盛り上がらない。本筋である、ホフマンVSジル(警察)の話ともほとんど無関係だし、これがホフマンやジル、そしてジグソウをめぐるこのシリーズの締めくくり、集大成のゲームとして相応しいかというと、全くそんなことないと思う。最後の最後に「ジグソウの名前勝手に使いやがって思い知らせてやるぅ!」な私怨満載のゲーム持ってくるとかアホか。

 かつ、最後の最後に1の被験者であるゴードン先生が協力者として関わっていたことが明かされるが、彼が何を思って協力していたのかとかは全然語られないため、「『うおお、まさかゴードン先生が!』な展開をやりたいだけやろ」感が強すぎて、逆に冷める。ゴードン先生については1以降露骨に出てこなかったため、大体の人がファイナルでなんらかの登場をすることについては予測出来ていたと思うが、この使い方はあまりにも安直すぎる。いっそスルーの方がマシだったレベル。

 総じて、作品単体としてはそこまで酷い出来でもないものの、これが7作続いたソウというシリーズの最終章です、と言われて出されたら「なんやこれ」と言いたくなる作品。

8作目:ジグソウ:ソウ・レガシー

(画像:Amazon商品ページより引用)
ストーリー 2
ゲームの出来 1
総合評価 2

 ファイナル(終わるとは言ってない)。
 2の時点で蛇足なシリーズが、3でジョンが死んでからも続けるという蛇足っぷりを披露し、ファイナルまで来た頃には蛇足に蛇足を重ねてどえらいことになっていましたが、そこにちょろっとタイトルを変えてさらに蛇足を付け加えた、もはや蛇足がオーバーフローを起こして一周回って新鮮な気持ちで見られるシリーズ8作目です。

 ゲーム内容的には、8作目ということを加味するともうマンネリが凄すぎてまるで目新しさがなく残虐性もおもしろギミックも全く物足りません。かつ、ストーリー的にはオチの無理矢理感が凄すぎて「そうだったのか!(衝撃)」とはならず、ひたすら「は?」となる始末「10年前と外見が似た被験者集めておんなじようなゲームをやって、その死体利用してました」ってオチはシリーズ最底の出来だと思う。なんやそれ。

 総じて、単一作品としての出来も微妙な上に、やっと「ファイナル」の名前を冠して(グッダグダだったけど)なんとか終わりまで漕ぎつけたシリーズを墓から掘り起こしてまで作った作品ということを考えると、駄作と言わざるを得ない

シリーズ通しての総評

 というわけで、ここまで全シリーズの私の評価、感想を見てきたのですが、一言で言いますとSAWシリーズめちゃすこです。「お前途中文句ばっか言っとったやんけ」と思われそうですが、実際8作品通して見た時は、続きをどんどんどんどんと見たくなって、割とダレることなく一気に見終わってしまったくらいです。個人的には4が好きじゃないのでそこで一度減速しましたが、でもホフマンという絶妙に小物なキャラが好きなので、5でまた視聴意欲が復活し、そこからはまた一気に行った感じでした。

 また、「ストーリーは嫌いだけどゲーム内容は好きな3」「ストーリーは好きだけどゲーム内容が嫌いな5」「ストーリーもゲーム内容も、どっちも不満はありつつも悪くない6」と、各作品それぞれ文句はありつつも魅力はきちんとある、というのが良いと思いました。なお、4とファイナル。

 ぶっちゃけレガシーが蛇足感半端ない上に、墓から掘り起こしてまで作った割には「この話いる?」な出来だったので、スパイラルの方も大変不安ではありますが、どんな出来なんですかね? 見た方、感想お待ちしております。

 それでは長くなりましたが、今回はこの辺で! SAWシリーズに対して語りたい方、「この作品が好き/嫌い」「このキャラ好き/嫌い」「アマンダ死ね」など、コメントお待ちしております。

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