「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

「クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園」見てきた感想を(極力)ネタバレなしで語る枠

 お疲れ様です、管理人のさがんです。
 今日はですね、現在公開中の新作映画「クレヨンしんちゃん 謎メキ! 花の天カス学園」を見てきて、これがもうガチの良作ケッ作映画だったので、ネタバレに最大限配慮しつつ、いいからとっとと見に行って来い的なことを伝える感じのやつです。

 ただ、色々言いたいこと、書きたい事は滅茶苦茶あるんですけど、実は今作、クレしんとしては初めての本格(風)ミステリー映画でして、しかもそのミステリー部分の出来が思った以上にちゃんとしている事もあり、もう終盤の意外な展開も含めて何書いてもネタバレになりそうなので、見終わった後の感動と情熱を伝える事だけを目的に書き上げたいと思います。よろしければお付き合いください。それでは行ってみましょう。

1.基本情報

(画像:映画.comより引用)

あらすじ

人気長寿アニメ「クレヨンしんちゃん」の劇場版29作目。シリーズで初めて学園ミステリーの要素を取り入れ、しんのすけたちが体験入学で訪れたエリート学校で、謎の怪事件に巻き込まれていく姿を描く。風間くんの誘いで全寮制の超エリート校「私立天下統一カスカベ学園」(通称:天カス学園)に1週間、体験入学することになったしんのすけたち。体験入学で良い成績を収めれば正式に入学できると聞いた風間くんは、みんなで一緒に天カス学園に入学することを夢見る。しかし、その風間くんが、お尻に奇妙な噛み跡をつけられた姿で倒れているところを発見される事件が発生。さらには、カスカベ防衛隊で一番のエリートのはずの風間くんが、目を覚ますとおバカになっていた。この事件を解決するため、しんのすけたちは、天カス学園の落ちこぼれ生徒会長・阿月チシオとともに「カスカベ探偵倶楽部」を結成。学園内に残されたメッセージと目撃証言から容疑者が浮かび上がるが……。監督は「クレヨンしんちゃん」のテレビシリーズや劇場版を多数手がける高橋渉。脚本も同じく「クレヨンしんちゃん」シリーズに多く関わる、うえのきみこ。

映画.comより引用)

予告編

2.見てきた感想(極力ネタバレなし)

 というわけでこちら、クレしんとしての「ミステリー」という新しい切り口を開拓した作品です。自分は最近発売された「クレヨンしんちゃん オラと博士の夏休み」、通称オラ夏をプレイした事によりクレしん熱が高まりを見せ、「面白いかどうか分からんけど、折角新作映画やってるし見てくるか」という軽い気持ちで飛び込んだところ、まさしくやられました。ケッ作だった。

 あらすじとしては、かすかべ防衛隊の面々が体験入学した天カス学園において、「吸ケツ鬼にお尻を噛まれるとおバカになる」という連続怪奇事件が発生。しかも、風間くんがその餌食に。その事件を解決するため、しんのすけたちは探偵クラブを設立して犯人を探す……というストーリー。

 事件概要だけはクレしんっぽいですが、初の本格(風)ミステリーという謳い文句は伊達ではなく、ミステリー部分の出来はぶっちゃけかなり良かったです。容疑者が次々と浮かび上がってきて、全員が全員どこか怪しい雰囲気を醸し出しており、事件を捜査していく中でどいつもこいつも何か裏に事情を抱えていそうな事が判明していきます。そして犯人についても、適当にギャグで誤魔化したり「誰これ?」というポッと出のキャラが実は犯人でしたー、というオチがついて冷める、というような逃げの展開もなく、あくまでしっかり容疑者の中から犯人を出す姿勢も本格ミステリーっぽくて、かなり見応えがありました。クレしんならではの推理やトリックも散りばめられており、犯人が分かった時は「そう来たか」と普通に驚愕。本格(風)なんて謙遜してるけど、下手なドラマよりはしっかりミステリーしてたと思います。本格ミステリー名乗っていいんじゃないか? 今から見に行かれるという方は、普通に犯人予想しながら見てみてください。自分は盛大に予想外しました。

 という具合で、ミステリー要素が絡む部分の出来はギャグもシリアスも程よい塩梅、かつ出てくるキャラクターたちもそれぞれ物凄く魅力的で、意外としっかりしたミステリーに仕上がっており、大人でも十分見応えがありました。ここまでは、「こういうクレしんもアリだな」と新境地を見せてくれた事への感心が強かったんですけど、ぶっちゃけこれだけで終わっていれば良作止まりだったここからがヤバかった

 ところでこの映画、キャッチコピーにもあるように、「青春」という言葉がテーマとして設定されており、体験入学した天カス学園でしんのすけたちやサブキャラクターたちそれぞれが、それぞれの青春を謳歌する、という流れもミステリー要素と同時に存在します。そして今作、犯人が判明してミステリー要素がひと段落した時点で、今度はこの青春要素が一気に台頭、まさかの方向へと話が進んでいくのですが、ここの部分がガチで面白くって感動した

 「ミステリー要素だけで終わりだと思ったか? バカが! 俺たちがやりたい話はこれからなんだヨォォォォォォ!! 喰らえ!!! 青春全開ビーーーーム!!!!!な展開がドバーッと押し寄せて来て、もう気が狂うほど気持ち良かったです。そして、この感動部分も全然押し付けがましさがなく、泣かせること前提で作られた感動とは違い、言うなれば嵐を呼ぶジャングルでアクション仮面が奮闘するのをみんなが応援するシーンを見て、つい目頭が熱くなる感じのような、そういうすごくスッキリした感動を味わえました。この部分がガチでよかった。総じて、「ミステリー」と「青春」というテーマをおいて、「とりあえずやりたい事を全部ぶち込んでおいたぜ!」という感じの作品でした。

 しかし、何もかも完璧な映画というわけでは決してなく、ミステリー要素に若干粗さを感じる部分があったり、展開のつなぎがちょっと強引だったり、オチが弱かったりなど、気になる部分自体はそこそこあります。しかし、それら細かい部分を押しのけて「ケッ作」と言わしめるだけのパワーを秘めている作品である事も事実でした。

現に私、個人的クレしん映画のランキングがこの作品を見た事で更新され、

1位 ジャングル
2位 暗黒タマタマ

3位 天カス学園
3位 オトナ帝国
4位 ヤキニクロード
5位 ロボとーちゃん
5位 ヘンダーランド

 という具合へと変貌を遂げました。
 天カスとオトナ帝国だと、作品としての完成度はオトナ帝国に軍杯が上がるかと思いますが、ミステリーという新要素を切り拓いたことや、青春を軸にしたストーリー展開は天カスの方が好みだったので優劣つけられず、同列となりました。ここは好みですかね!

 ジャングルは永久不滅の1位、ハッキリわかんだね。

 というわけで、新作本格ミステリー映画という事もあって、ネタバレには極力配慮しつつ、見てきた感動だけを伝えたくて書き殴ってみました。観に行く価値は十分すぎるくらいにある映画だと思うので、ぜひ映画館へ!

(最後に余談ですが、オラ夏をプレイした感想記事のリンクも載っけておきます)

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