コロナ、全然治らないっすね──みなさま、いかがお過ごしでしょうか。
以前、5月公開予定の映画で気になる作品を紹介する的な記事をあげ、全部で6作品取り上げたんですが、新作劇場映画が次々と公開延期になり、結局残ったのは2作品だけでした……かなしい。
とりあえず、その2作品は公開されるや否や見ましたので、今回はその感想を簡単に呟きたいと思います。
内容には軽いネタバレを含むため、「まだ見てないけど近々見る!」という方はご注意ください。それでは順番に。
①アーミー・オブ・ザ・デッド
こちらは劇場ではなく、Netflixで公開された新作ゾンビ映画です。監督がドーン・オブ・ザ・デッドの方であることや、予告編から漂うバリバリアクション臭からかなり期待していたのですが、率直に言うとものすごく微妙。
内容が悪くてどうしようもない、というよりは、まあ期待しすぎたと言うか、自分が期待したものと出されたものが違ったので「うーん」という感想になった感じです。良い点もあるんですけど、どっちかというと残念な部分の方が目立ちました。
一番良かったのはオープニング。ここは、過去にラスベガスでゾンビが大発生した時の、軍隊との死闘を描いたパートなのですが、ここの出来はマジで神。開幕の、しかも本編に繋がる導入でしかない部分で、これだけ力を入れて普通のゾンビ映画を凌駕するクオリティの映像をいきなりぶち込んで来たのには、テンションが爆上がりしました。普通にこの部分で映画一本撮って欲しい。
とまあスタートの切り方は絶好調で、そこから仲間を集めて壁の中へ、金庫破りしに乗り込もうぜ、というノリで準備するあたりまではまだ全然面白かったんです。しかし、戦闘要員でも何でもない主人公の娘をパーティーメンバーに加えたあたりでちょっと「ん?」となり、そして壁の中に入ってから、金庫破りするまでのシーンがとにかくダルい。
いや、自分は完全に「主人公が集めた最強メンバーが、知能が高いゾンビ軍団相手にバリバリアクションでドッタンバッタンする感じのやつ」だと勝手に思ってたんですけど、ぜーんぜんそんなことなくて、むしろキャラ同士のやり取りとかの方がメインみたいな? 特にすれ違っている父と娘が歩み寄っていって、的なところをやりたかったんだろう感がバリバリに出ており、「いやーこれじゃないんだよ!」となりました。
まあ単純に、中盤あたりはアクションシーンの量も質もオープニングに比べてかなりガクッと落ちるため、そういうのが見たかった人からすると見ていて辛いです。かつ、キャラ自体の出来も別にそこまで高くはないし……という具合。
終盤、敵のゾンビ軍団が本気を出して攻めてくるあたりはまあまあ面白かったですけど、これもクライマックス感があるかというと、ぶっちゃけ「まあこんなもんか」という感じで、期待したほど良くはなかったかな。というか、オープニングが良すぎて期待が爆上がりしたのに、本編中にそれを超えるだけの描写がなかったのが何より残念。「最初からクライマックス」とはよく言いますが、今作はぶっちゃけ「最初がクライマックス」という感じの内容でした。それと、この内容で2時間半は流石に長すぎる。
もちろん合う合わないはあると思うので、ネトフリ入っている方は折角なのでどうでしょう、オープニングだけでも。ネトフリ加入してない方は、これのためにネトフリ入る価値があるかというと、ちょっとおすすめはし難いかな──
まあ、自分が今作に何を求めるかで評価は変わってくると思うのですが、純粋にアクション部分を期待している人は、ちょっと様子見でもいいかもです。
②アオラレ
こちらは5月28日公開の劇場公開作品。5月公開組の中で珍しく生き残ったソルジャーです。
「煽り運転をした相手がラッセル・クロウだった」という、もはやあらすじだけで面白い作品。見てきた率直な感想としては、「まあまあ面白かったけど、もうひと盛り上がりふた盛り上がりは欲しかった」
もちろん良い点もあったんですよ。開幕から完全に頭いっちゃってるラッセル・クロウが人を殴り殺すシーンから始まって「こいつは誰にも止められないわ……」と戦慄させてくるところとか、煽り運転がテーマではあるけれど、カーチェイスだけの映画ではなく、あっちこっちでラッセル・クロウが人目も気にせず暴れまくるところとか。
というか、もうとにかくラッセル・クロウが適役すぎる。見た目がどう見てもパワー系ガイジそのもので、目が明らかに逝っちゃってる感じとか、銃で撃たれても倒れなさそうな感じとか、人の多いところで好き勝手殺人やら轢き逃げかましても違和感のない感じとか、本当に素晴らしい。まさにこの主役あってこその映画で、そこはとても良かった。
ただまあ、展開自体はこちらが期待していたよりもちょっと大人しめで、「テンションが爆上がりする瞬間」というのが無かったのは痛手。クライマックスシーンの決着も想像以上にあっさりとラッセル・クロウが倒れて、「ここからもう一つ二つ盛り上がりが欲しいなぁ」と思ってたら、そのまま終わっちゃった感じです。
あんまり全然関係ない作品と今作を比べるのは気が引けるのですが、最近見た「ザ・スイッチ」なんかはその辺が大変上手だった。あちらも今作と同じように、「面白かったけど、もう一歩盛り上がりが欲しかったな」と思ってたところに、ガツンとパワーのある盛り上がりを持ってきて映画が終わったので、すごく視聴後の満足感が高かったんですよね。折角ラッセル・クロウという「殺しても死ななさそうな見た目の人」を持ってきたのだから、ラストシーンなり途中のシーンなり、どこかしらでもうひと暴れさせても良かったんじゃないか、とは思いました。
ともあれ、全編通してなかなか安定感がある仕上がりで、見所も随所にあるため、あまり期待しすぎず、楽な気持ちで望めば十分楽しめる作品ではないかと思います。
③今後公開予定の作品について
本当はこの5月、ゴジラVSコングとか、クワイエット・プレイスとか閃光のハサウェイとか、期待作がいくつも公開される予定だったんですけど、軒並み6月以降にずれ込んでしまいました。まあご時世がご時世なので仕方ないんですけど、6月からはちょっと忙しくなるため、しばらく映画館行けないんですよね……この辺の作品たちは、大人しくレンタルが始まるのを待ちます。