「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

ザ・サンド のレビューです(総合評価C-)

謹んで新春のお慶びを申し上げます。

旧年中は大変お世話になりました。よろしければ、今年におきましても変わらぬご愛顧のほどよろしくお願い申しあ

(画像:Amazon商品ページより引用)

国籍 アメリカ
製作 2015
販売 TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D)

堅苦しい挨拶なんて必要ねぇんだよ!

というわけで、新年一発目のレビューはこちら! あまりに新作コーナーで異彩を放っていたのでつい借りてしまいました。とはいえ、これを見たのは旧年中でしたが。

レンタル版を吹き替えで視聴しました。まずはAmazon先生のあらすじ&予告編からどうぞ。

【予告編】

【あらすじ】

“前夜のビーチパーティの翌日、二日酔いの若者グループは太陽の鋭い日差しで起きた。しかし、予期せぬ恐怖が彼らを襲う。 グループの一人が砂浜に降りた瞬間、地中から現れる無数の触手に体を吸いつかれ、無残に切り刻まれ、血の塊となって地面に沈んでしまう。ビーチそのものが肉食性の怪物と化していたのだった。ありえない事態にとまどいながらも生き残った6名の男女は、砂浜に体を触れないように、故障した車、監視塔、サーフボードを駆使して、砂浜からの脱出を図るが……。(あらすじ:Amazon商品ページより引用)

ストーリー…………C
モンスターの質……C
キャラクター………C
設定…………………C

総合…………………C-
おすすめ度…………C

【良い点】
・死亡シーンの力の入れ具合
・序盤のスピード感

【悪い点】
・中盤以降のダレ具合
・見どころのない展開

正直言うと、面白くなくはないけど面白くもない、という感じの作品でした。コンセプト上仕方ないのですが、とにかく地味な上に話が1箇所から動かないので見どころもないという印象です。死亡シーンは結構しっかり作られていたのでその点は良かったですが、総じて凡作の域を出ない映画でした。

【以下、ネタバレ注意!】

「ビーチに足を付けると砂に喰われる」という、どうあがいても地味な出来に仕上がること間違いなしなコンセプトの今作ですが、想像どおり地味でした。まあ、その地味さを加速させているのは、モンスターというよりむしろステージなのですが。

では早速、詳細な内容を見てゆきましょう。まずは良い点から。

今作の良い点は、死亡シーンの力の入れ具合と序盤のスピード感です。

この映画、砂が人を襲うという設定を見ればわかるように、映像的には全くと言っていいほど映えません。しかしそれを見越しての事か、死亡シーンへの力の入れ具合に関してだけは妥協を感じることがありませんでした。単に砂の中に引き摺りこまれて終わり、というのではなく、顔の皮が剥がれたり皮膚を千切られたり……などなど死に方にこだわりが感じられ、ある程度の緊張感を持って視聴することが出来ました。また、死亡者が定期的に出てくれるため、ダレやすさが多少改善されているというのもGood.

そして、序盤の展開について。今作は若者たちがビーチで馬鹿騒ぎしているところから話が始まりますが、この導入も早々に、話はすぐに本題へと突入します。〝砂の上以外の場所で〟朝を迎えた若者たちから最初の犠牲者が出て、この状況を何とかしなきゃ……というところから話が動き出すわけですが、ここまでは特に無駄な引き延ばしなどもなくスムーズに人食い砂との絡みに入ってくれるので、先述の死亡シーンの力の入れようと合わせ、序盤の掴みは本当に良かったと思います。はい、序盤は。

では、以下は悪い点です。今作の悪い点は、中盤以降のダレ具合と、とにかく見どころにかけ盛り上がりのない展開です。

まずは中盤のダレ具合について。今作、序盤は確かにスピード感もあっていいのですが、この掴みの良さも中盤に入る頃には陰りが出始めます。何が問題って、状況が全然動かない&やっていることが終始同じで絵面も変わり映えしないためだんだん飽きてくるんですよ。

モンスターが非常に地味なせいで映像映えしない、ということについてはコンセプト上仕方ないとして目を瞑ったとしても、盛り上がりがほとんどないことによる単調さと飽き、これがとにかくいただけません。恐らくこれこそが、今作における一番の問題児です。

この原因はいくつかありますが、まずはステージの狭さが挙げられます。今作の舞台は言わずもがなビーチなのですが、「砂に触れると死ぬ」という設定の都合上、登場人物たちが活動するのはせいぜい半径数十メートルのクッソ狭い範囲内のみです。その中で砂に触れないようにして、サーフボードの上を歩いてみたりなんだりして時間を過ごすわけですが、彼らの行動一つ一つが非常にしょうもないことや、大した打開策も打てずに口げんかばかりしていることなどが相まって、話が進んでいるように見えて全然進まないんですよ。

しかも、それだけいろいろとしょうもないことをやっていた割には、終盤にもなると足にタオル巻いて走ったら普通に脱出できたというクッソあっけない展開が待っています。今までいろいろしてきた時間は一体なんだったんだと。そうでなくても、靴履いてたらセーフという非常に緊張感を削がれる展開も中盤にぶち込まれますし。

と、こんな残念な怪物が相手ですから当然盛り上がりなどほとんどなく、最後の最後に巨大触手が砂から顔を出す頃にはこちらのテンションは見事に冷め切っているというギャップに苦しめられます。

総評ですが、序盤の立ち上がりや死亡シーンの質の良さなども認められますが、それよりも悪い点の方が勝っているため標準少し下くらいの出来という印象をぬぐえない作品でした。登場人物がアホの子ばかりでやること成すこと微妙&展開が単調なので飽きが来る&ステージが狭すぎて終始同じような映像を見させられることによる盛り上がりのなさ&唐突にぶち込まれる雰囲気ぶち壊しの展開等々が今作の残念な点として挙げられるでしょう。

まさに、「面白くはないが面白くなくもない」というような完成度なので、珍しいコンセプト以外はそこらにありふれる凡作と変わりない、というような評価で良いと思います。気になった方はどうぞ。

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