「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

モンスター・フライト のレビューです(総合評価C+)

(画像:Amazon商品ページより引用)

国籍 アメリカ、中国
製作 2014
販売 トランスフォーマー

多分予算の使い方が悪いと思うんですけど(名推理)

レンタル版を視聴しました。(吹替えは)ないです。まずはAmazon先生のあらすじからどうぞ。

【あらすじ】

飛行中のジャンボジェット機が謎のモンスターに襲われるフライトパニック。引退が決まり最後のフライトとなったボーイング747。突然天候が荒れ機体が大きく揺れた時、機内で切り裂かれたような傷を無数に受けたスタッフの死体が発見される。(あらすじ:Amazon商品ページより引用)

ストーリー…………C
モンスターの質……C
キャラクター………B
設定…………………C

総合…………………C+
おすすめ度…………C


【良い点】
・バトルシーンはじめ見どころさんはそこそこある

【悪い点】
・非常に地味で盛り上がりに欠ける

なんとも中途半端というか地味というか、反応に非常に困る映画だったです。特に、モンスターのCGクオリティはなかなか高いのに造形が残念すぎるのがいけません。後、EDの自信満々製作陣くん好き。

【以下、ネタバレ注意!】

熱い自画自賛 ええぞ!ええぞ!

ここまで自信持てるのは普通にすごいと思う。その姿勢好きだよ(内容が良かったとは言ってない)

それと今作、死ぬほど驚いたのですが、向こうでは3Dで上映したらしいですよ。ならなぜこんな地味な内容にしてしまったのか、コレガワカラナイ

さて今作ですが、上記Amazon先生のあらすじ中の「飛行中のジャンボジェット機が謎のモンスターに襲われるフライトパニック」という表現以外の何物でもない内容の映画です。それ以上でもそれ以下でもありません。

強いて言うならば、フライトパニックという割にはそもそも乗客が10人くらいしか乗ってないことだとか、満を持して登場したモンスターがどこをどう見てもただの猫だったりとか、まあ多少(?)イメージからのスケールダウンはあるでしょうが、基本的にはオーソドックスなフライトパニック物です。

要するにこれと言って語ることもないので、早速詳細な内容を見てゆきましょう。まずは良い点から。

今作の良い点は、見どころ自体はチラチラある、ということです。

「いきなり何言ってんだ」と思われるかもしれませんが、これは映画において非常に重要なこと。特にB級映画クソ映画においては、見どころがない映画というのが多々あります。その点今作は、まあ内容や設定に関する不満点はあるとしても、しっかりとした見どころがいくつかある、これはこの映画における明確な強みであると言って良いと思います。

例えばストーリー。今作はこれと言って特質することもないくらい普通のフライトパニックで、話の流れ自体はかなり王道的かつモンスターの登場までが非常に遅いのですが、なかなか個性的なキャラクターたちが織りなす人間ドラマのおかげで基本的に楽しんで見ていられます

状況を動かす役目をモンスターだけに押し付けるのではなく、屑からぐう聖まで勢揃いしたキャラクターたちが起こす様々な行動によって話が進んでゆく、という流れ自体は、なかなか良く出来ていたのではないでしょうか。まあ、内容的にはラブロマンス連発で少し臭いですが。

また他にも私が気に入ったのは、バトルシーンの出来の良さです。バトルシーンといっても、モンスターとのバトルの事だけを言っているのではありません。むしろ今作では、人間同士のバトルの方が良く出来ています。例えば殴り合いの喧嘩一つとっても、割と真剣みがあって惹き込まれました。これがまた立てこもりの緊張感の演出に一役買っていて良かったです。モンスターとの戦闘が残念な分余計に。

いえ、別にモンスターとの戦闘シーン自体は悪くないんですよ。CGはかなり良好でぬるぬるとよく動きますし。では一体なにが問題なのか。それは以下の、悪い点に引き継ぎます。

今作の悪い点は、何を隠そうとにかく地味でパッとしないこと、正直言ってこれに尽きます。

今作は曲がりなりにもモンスター映画なのですが、先にちらっと述べたように、この映画において登場するのはなんですよ、。しかも普通サイズの。もちろん、急に顔が割れて触手がウニョウニョ出て来り、物理法則をガン無視して巨大化したり、原型を留めないほど変形したり、ということもありません。登場から退場まで、ずっとタダノ猫です。

またこの猫、「強力な毒を持っているので、引っ掻かれて暫くすると死ぬ」というとんでもなく地味な設定を持っているため、基本攻撃は引っ掻きからの毒殺です。しかもこの猫、人間を襲うのは良いものの、機内に1匹しかいない&(一部除き)同時に人を襲わない&そもそも画面に映らないため、襲撃シーンがとにかく地味

前半は、猫は正体を見せずステルス攻撃を繰り返し、襲われた人間はとりあえず生還して毒に苦しむ、という非常に地味な構図が続き、やっと猫が正体を現した後半も、相手を引っ掻くだけで惨殺虐殺はせず、人肉も貪らないのでモンスターとして非常に地味。要するに今作、襲撃シーンどころか、全編とおして恐ろしく地味なんです。モンスター映画としては、これはさすがにいけません。

??「やっぱりネコカスじゃ主役は務まらないワン」

総評ですが、確かになかなか良く出来てはいるものの、見どころも欠点もとにかく地味あまり印象に残らない映画、というので良いのではないかと思います。とにかくモンスターの正体はじめとして盛り上がりに欠けることが一番の問題でしょうね。主軸となるラブロマンス(?)も、1人分なら良いですが連発しすぎて微妙ですし。

ただし、(序盤以外は)イベントが多めなので、モンスターの登場が遅い割には話のテンポ自体は悪くないこと、立てこもりの緊張感などの演出はなかなか良く出来ていること等々地味な見どころも多いので、興味を持たれた方は見てみても良いのではないでしょうか。ですがそれを差し引いても、とにかく盛り上がりに欠けるのが痛い映画でした。

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