「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

X DAY 黙示録 のレビューです(総合評価B−)

(画像:Amazon商品ページより引用)
 15年も対策する時間あるんだったらダイ・ガードでも作っとけよ(真顔)
 さて今作ですが、レンタル版を吹き替えで視聴しました。まずはAmazon先生のあらすじ&予告編からどうぞ。
【予告編】
【あらすじ】
『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』のVFXスタッフが放つモンスターパニック・アクション。15年前の月食の日。突如、海洋生物の死体が各地で座礁し、陸上動物たちが大移動を始めた。すると、時を同じくして地下から禍々しき魔物の大群が現れ…。(あらすじ:Amazon商品ページより引用)
ストーリー………B
モンスターの質…B
キャラクター……B
設定………………D
総合………………B−
おすすめ度………B

【良い点】
・キャラクターに好感が持てる
・モンスターの出来がなかなか良い
・話のテンポが良く、ステージ移動も多いため見飽きない
 
【悪い点】
・設定が多少ガバい
 友人数名とカラオケボックス占拠して鑑賞した映画です。その場での評価はなかなかに好評だったので、多分間違いないでしょう。実際、モンスターの襲撃が豊富で、その度に逃避行を繰り返してくれるためステージ移動も多く、またキャラクターたちも行動的、とストレスなく見られるいい映画だったと思います。
【以下、ネタバレ注意】
 モンスターのバーゲンセール状態な映画だった。
 さて今作ですが、15年前に突如起きたモンスターパニックから立ち直りつつある世界で、今回またモンスター襲来の予兆が発現し、再び世界が混沌に呑まれる中で主人公たちが奔走する、というような感じの内容に仕上がっております。その辺のモンスター映画との明確な違いとしては、過去に人類がモンスターによる大規模な襲撃を受けており、今作は2度目の襲撃に対するお話だ、ということでしょうか。まあとにかく、そんな映画です。まあ、その割に人類側の対策がガバガバすぎる気もしますが……。
 それでは早速、今作の詳細な内容を見て行きましょう。まずは良い点から。
 今作の良い点は、モンスターの出来がなかなか良いことと、ストーリーのテンポが良いので飽きにくいこと、そしてキャラクターに好感が持てることなどが挙げられます。要するに、全体的になかなかクオリティが高いんですね。
 それではまず、ストーリーから見て行きましょう。先にも少しお話しましたが、今作は過去に起きたモンスターの大襲撃から立ち直りつつある世界を舞台に、2度目となるモンスターの襲撃を描いた作品です。序盤は、月食や海洋生物の大量死など、15年前にモンスターが襲撃してきた時と酷似した現象を描きながらモンスター襲撃への予兆を感じさせつつ、日常から非日常へと向かっていく不穏な空気の演出に力を入れています。そしてモンスターの襲撃が始まってからは、それらから逃亡を続けつつ、そして時には立ち向かいながらこの混沌の中を生き延びようとする主人公たちの話へと切り替わっていきます。
 まあ、全編通して普通のモンスター映画と言ってしまえばそれまでですが、今作は襲来の予兆の描写が割と丁寧であることに加え、ダラダラと日常パートを続けることなくテンポよく話を進めてくれること、モンスターとの戦闘編へ突入して以降も、豊富なステージ移動のおかげで状況の変化を楽しむことができ、飽きずに見ていられることなどが特長としてあげられます。15年前のモンスターの襲撃と、今回の襲撃の予兆描写、モンスター襲撃後の逃走と闘争、これらをすべてきちんと取り入れつつ、飽きさせないストーリー展開はなかなか見事だったと思います。
 また、先ほど見飽きない理由として豊富なステージ移動をあげましたが、この他にも要因が2つほど。それは、モンスターの出来栄えとキャラクターの魅力でしょうか。
 まずモンスターについては、単純に出来がよかったと思います。具体的に言えば、モンスターの造形もさることながら、今作の真骨頂はその種類の豊富さと数の多さにあると言って良いでしょう。
 例えば今作、一口にモンスターと言っても、その種類は1種類だけではありません。空を飛ぶやつから、地上戦に特化した4足歩行型、狭い場所に出入りできる蛇型やボス級の大型モンスターまで、その種類はなかなか様々です。まずこれがいい。
 そしてさらに圧巻なのが、モンスターの数。10や20なんてものではありません。比喩なしに、空を埋めつくさんとするほどの数のモンスターが画面を埋めるシーンも少なくありません。個々の性能はそこまでぶっ壊れているほどではありませんが、とにかく数が多いので状況の絶望感や敵の強大さが実にシンプルに、ダイレクトに伝わってきました
 この、単種類のモンスターだけだと間違いなく飽きてしまう&そこまで緊迫感を出せなかったであろうところを、数でカバーするという構成は、シンプルながらもかなりの効果がありました。
 またモンスターだけでなく、キャラクターにもちゃんと魅力があるのが今作のさらに良いところ。メインキャラクターたちもなかなか行動的で良いのですが、特に着目したいのはサブキャラクターたちについてです。いかにもやられ役なメガネのおっさんをはじめ、見ず知らずの主人公たちを助けるために自らモンスターの囮となってくれるぐう聖おじさん、旅の途中で出会う篭城夫婦やいかにも悪役な軍人など、キャラクターたちはみんなそれぞれに魅力があり、話の盛り上がりにしっかりと貢献していたと思います。
 というわけで、各所にわたりなかなかのクオリティを誇る今作ですが、唯一気になった部分があるとすれば、設定がかなりゆるゆるなことでしょうか。モンスターの正体も不明なら、やつらが突如襲来してくる理由も分からないままですし、そのくせ弱点は塩というかなりのありきたりさを持ち合わせているので、なんだかなぁ……という気分になりました。

しかも、そんなクッソありふれた物質というスーパーガバガバな弱点を持ってる敵が相手な上、出現地点も判明しており15年も準備期間があった割には人類側のモンスターに対する対策はかなりゆるゆるで、今回もあっけなく世界崩壊一歩前まで追い詰められるところなど、ぶっちゃけ過去の教訓が全然役に立ってないので、ちょっと冷めました。出現地点に大量に塩の備蓄しとくだけでも、被害状況かなり違ったと思うんですけど。

これがなければ、もっと評価は上がったんですけどね。

 総評ですが、設定面に関する不満は残るけれども、全体的に題材を上手く使って仕上げられた良作だったと思います。モンスター良し、ストーリー良し、キャラ良しと、見終わった後はなかなかの満足感がありました。モンスター映画としては結構なクオリティのものだと思うので、気になった方は是非どうぞ。
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